ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ストーリー
物欲主義な子どもたちに嫌気がさして久しく、なにかと疲れ気味のサンタクロースは、それでも体に鞭を打ち、良い子にプレゼントを届けるため、トナカイの引くソリに乗ってクリスマスイブの空を駆け回っていた。とある富豪一家の豪邸に降り立ち、煙突から中へ入ったサンタは、金庫にある3億ドルの現金を強奪しようと邸内に潜入していた悪党のスクルージー一味と鉢合わせてしまう。
スタッフ
監督トミー・ウィルコラ
製作ケリー・マコーミック デビッド・リーチ ガイ・ダネッラ
製作総指揮マーク・S・フィッシャー
脚本パトリック・ケイシー ジョシュ・ミラー
撮影マシュー・ウェストン
美術ロジャー・ファイアーズ
衣装ラウラ・デルーカ
編集ジム・ペイジ2022年製作/112分/R15+/アメリカ
原題:Violent Night映画.comより引用
今回はネタバレスレスレの誉め解説モード
注意:今回は核心に迫るネタバレはありませんが、純粋に愉しみたい方には読まない事をオススメします。
本作はスタントマン中心となって立ち上げた映画制作会社で、そのためアクション映画に特化した作品を作りつづける87ノース・プロダクションズが『Mr.ノーバディ』、『ブレッド・トレイン』に続く3作目。
-- よく考えたら本作も入れて三つともアクションコメディだな。
内容は、舐めてたサンタが殺人マシーンだった。で、あるのは薄々と予測できることなのだけれども、これをラーメンに例えると……
誰だ、ダイ・ハードとダイ・ハード2とホーム・アローンを具材にして、オールド・ボーイを麺にして34丁目の奇跡の出汁にしたみたいなやつを考えたのは⁉
褒めてやる!
おーヨシヨシ。(ナデナデ)
さて、あとは解説だ。まずは具材。しかし具材はすぐに目立つから『ダイ・ハード』や『ダイ・ハード2』や『ホーム・アローン』については今さら語るまでもないな。本作でもセリフで出てるくらいなので。
しかし、『ホーム・アローン』がドタバタコメディじゃなく、本質として『わらの犬』と同じバイオレンスアクションだと看破したのはとーっても溜飲が下がったぞ。公開当時同じ事を言って周りをドン引きさせた思い出にもつ者こと自分にとってはいい気分だったw
次は、麺。さすがにこれも具材と同じだったらそれは、パ◯リってゆうか工夫が無さすぎる!と批判に晒されるから変えてくるのは当然として、そこに『Mr.ノーバディ』と同じに痛そうなアクションを入れてくるのは87ノースが十八番としているアジア系アクションの痛さを英語圏で再現できるのは自分達だと自負しているのか、それとも単に派手なのにするには予算が足りないからか、その両方なのかは分からないが、まぁ他のダイ・ハード&ホーム・アローンのフォロアー作品と比べ差別化が上手くいっているのは確かだろう。
ちなみに、レーティングはPG15+。
さらにちなみに、ここで『オールド・ボーイ』(2003) を出したのは、本作の重要なツールがハンマーだからだ。(ハイ、グロ決定)
最後に、出汁。どんなに具材と麺が最高でもこれを結びつけるモノがヘナヘナだとバランスの悪い味になるが、そこに本作では『34丁目の奇跡』(1994) をつけている。
コノ作品は1947年『三十四丁目の奇跡』リメイクなのだが、これにはチョイと説明が必要なのでソレをすると、老舗デパートで働くシングルマザーの女性がふとしたきっかけで知り合った「自分をサンタクロースと信じている」老人をクリスマス商戦の売り子にしたらこれが大当たり。女性の娘もその老人をサンタと信じて好きになる。だが、これによく思わないライバルのデパートが老人にいちゃもんをつけて、老人が傷害事件を起こしてしまう。そして裁判へとなだれ込むが、そこで争われたのは「サンタは実在するのか?」という展開で、ぶっちゃけ本作と被る。
だから、感動のフィナーレへとなだれ込むのだ。
イヤ、本当だって!ウソじゃないんだって。
見事な創作ラーメンだったよ。
これなら、ラーメン才遊記のハゲも認めるしかないだろ。(意味不明なボケ)
でも、まあ。これらは新しいモノは何もなくて、巧みなコーディネートによる結果によるものなのもまた確か。
アクションのコーディネートも巧いが、ドラマのコーディネートもまた巧い。
コーディネートはこうでぇねえと!(オヤジギャグ締め)
劇場で鑑賞。