ここでは題名を恣意的に表記します。[敬称略]
ここでは『ジェイソン・ボーン』で思い出した事を書きます。
監督のダグ・リーマン、ポールグリーン・グラス両者の名を知らしめ、主演のマット・デイモンをアクションスターへと押し上げたジェイソン・ボーン シリーズ だが、原作はアメリカではベストセラー作家だったロバート・ラドラムが創出したヒーローだ。
ロバート・ラドラム - Wikipedia
ジェイソン・ボーン - Wikipedia
ジェイソン・ボーンの魅力は「記憶を無くした最強の暗殺者」だが、そのアイディアを基にした作品を思い出して書いておきます
〇 ロング・キス・グッドナイト
ロング・キス・グッドナイト : 作品情報 - 映画.com
記憶を無くした普通の主婦がある男に襲われて超人的な能力で倒したのをきっかけにはじまるジーナ・デイビス主演、レニー・ハーリン監督のアクション映画。で想像できるように、爆発だけが印象に残っている大味な映画になっている。アメリカでは『ジェイソン・ボーン』はミニテレビシリーズの映像化(これは後述)されてはいたが映画化がまだのために「いそいで」作られた感が強い。一言でいうなら「ものすごく雑」なつくりになっていて、観た後は即効で忘れる類の映画なのである。
〇 アサインメント
アサインメント : 作品情報 - 映画.com
ある海軍大佐の顔があのテロリストのカルロスをそっくりだったことから雇い主であるソ連から手を引かせるためにアメリカとイスラエルの共同作戦に巻き込まれる主人公の葛藤。一見サスペンスアクションにみえるが、本質は心理サスペンスで、だから派手なアクションシーンがあっても気分があまり盛り上らず地味にしか感じられない。なら、どうしてこれを選んだかといえばラドラムの『暗殺者』はこの作戦をヒントに書かれているからだ。なんとこれは実話を元にした映画なのである。
〇 ノワール
NOIR(ノワール) : 作品情報 - アニメハック
最後は映画から離れてテレビアニメを。しかも、いわゆる美少女アニメを紹介。フランスの少女暗殺者が記憶を失ってはいるが抜群の暗殺術を何故かもっている日本の少女と出会ったことからはじまるストーリー。メインシナリオ(おそらく主な設定も)書いたのは現在では作家として活躍している月村了衛。どうしてこれを選んだかといえば、『暗殺者』の設定だけではなく、同じラドラムの著作『マタレーズ暗殺集団』の設定「ローマ・カソリックに暗殺教団が存在したら?」を使っているから。だから、後半はやたら宗教的な展開になる。
最後に『暗殺者』は最初アメリカではミニテレビシリーズとして作られて公開された。日本では『狙撃者』のタイトルでビデオで公開。後にDVDも販売されている。主演は80年代の話題作のひとつになった『将軍 SHOGUN』のリチャード・チェンバレン。とか書いても誰も憶えていないほど忘れ去られてしまった。この番組から14年後にマット・デイモン主演で『ボーン・アイデンティティー』としてジェイソン・ボーンは復活するのである。