えいざつき ~映画ポエマーの戯言~

映画批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

シン・ウルトラマン

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

 

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謎の巨大生物「禍威獣(カイジュウ)」が次々に現れ、その存在が日常となった日本。通常兵器が全く通用せず事態が長期化する中、政府は禍威獣対策の専従組織・通称「禍特対(カトクタイ)」を設立する。田村君男(西島秀俊)を班長に、さまざまな分野のスペシャリストから成るメンバーが任務に当たる中、銀色の巨人が突如出現。巨人対策のため、禍特対には分析官・浅見弘子(長澤まさみ)が新たに配属され、作戦立案担当官・神永新二(斎藤工)と組む。

シネマトゥデイより引用

 

今回はネタバレスレスレの解説モード

 

注意:今回は核心に迫るネタバレは避けていますが、純粋に楽しみたい方には読まないことをお勧めします。

 

まず、本作は4部構成になっている。ウルトラマン登場→ザラブ登場→メフィラス登場→大取りのアイツ登場。の順番。

 

まぁ、面白かったです。

 

……でもなぁ。

 

その部分は後にするとして、本作は監督のクレジットこそ樋口真嗣だが、作品をコントロールしているのは、やはり庵野秀明だと考えるしかない。それは今回映画のキモである、脚本と編集を握っているからだ。特に編集を握っていれば監督がどんなカットを撮ろおうが、編集次第で作品の印象を変える事は可能だからだ。

 

ハリウッド映画だと監督がプロデューサーと兼任するのは他に編集をさせないのが主な理由だからだ。編集を握っている者こそが作品そのものを握っていると言っても良い。

 

でも、樋口監督は庵野監督とは盟友でもあるはずだから、そこに不満は無いだろう。逆に嬉々として実相寺昭雄監督作品ぽいカットを画としてドンドンと撮っている。

 

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実相寺昭雄監督作品ぽいカットとは、ぶっちゃけカメラが被写体を撮るときの定番・オーソドックスな画がほとんど無い作品のことだ。極端な画しかない。それが実相寺。

 

そして、元になっている脚本は本作でメインとして登場する外星人。これもぶっちゃけ〇〇〇〇星人と呼ぶべきキャラがザラブとメフィストから見るにどうしたって金城哲夫の脚本を意識しているのは間違いがない。

 

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彼についてまとめるのが難しいので、金城哲夫でググってくれ。(丸投げ)

 

ただ金城脚本の特徴を雑に押さえておくと、クールというか、どこか冷めたところがあるところか。

 

ようするに本作は実相寺と金城の二人に対するリスペクトとして構成されている。

 

濃い特撮ファンなら実相寺と金城が円谷プロの仕事をしていた話はもう常識だし。

 

だから、ウルトラマンと関係がない、ウルトラセブン第8話を思わせるシュチエーションが不意に現れる。この話、監督が実相寺で脚本が金城だから。

 

ウルトラセブン

見た目として、実相寺(樋口)と金城(庵野)が組んだ印象になっている。

 

もちろんこれだけではなく、ちゃんと庵野らしい、『エヴァンゲリオン』ぽいクライマックスも用意されている。

 

余談だが、ウルトラマンの設定について考察するのは無意味だ。それっぽい説明はできるが、本作も庵野監督は結局それっぽい用語つまみ食いして、それを散りばめているだけなので、物語の整合性をやると考察合戦地獄へと堕ちてしまう。

 

まぁ、いつもの事です。

 

匂いで捜すって何だよ!(分からない者には唐突)

 

自分の考えを言っておくと、「ああ、庵野だ」とは思ったけどね。

 

また、クライマックスでの展開は本家のウルトラマンも示した「地球の事は宇宙の誰かに頼らずに自らの知識と知恵で戦う」というドラマをかなりギリギリで担保していると自分は判断している。

 

さて、「でもなぁ…」の部分を語ると、本作は展開が冗漫だ。説明が2回重なってクドくなっているところがある。

 

速い話、ザラブの設定とプロットはいらない。

 

だって、外星人に2度も同じ手で引っかかる日本政府こと地球人ってなんなの?バカなのか⁉

 

これが週一のテレビドラマだったら、一話を観た後に感情もリセットできるのだけども、これを連続でやられるとさすがに冷める。

 

それに、ザラブがなくてもクライマックスへといたるドラマそのものは破綻しないのだよなあ。

 

でも、それを頭から否定できない自分もいる。だってサラブもキャラが立っていい味が出ているんだもん。

 

このように本作では自分の中の二つの人格、一般的な自分ともう一つのオタクな自分が現在でもせめぎ合っている。

 

一般的な視点からさらにやっかいなのは、樋口自身は実相寺カットを撮っているつもりなのだろうが、結果として女性キャラ達をフェティシズムを感じさせる画になっていて、これが簡単に言ってしまえば「気持ち悪い」(エヴァ風)。特にあるシーンで顕著に現れて、頭を抱えた。これが庵野だったら、このあたりはグロテスクに寄せる感じにしていただろう。

 

このように、表向きはいちげんさん&薄いファンもウェルカムな態度を示しているけど、近づみたら見えない薄い膜で仕切られている感じだったな。

 

シン・ウルトラマン (画像は映画.comより)

樋口と庵野の愛という、濃いオタ臭にあてられたともいう。

 

でも、そこに自分に潜むオタ心が呼応しているのが、超やっかいな……。

 

あと、カッコいいメカが出てこない。(もはやお約束)

 

それをやったらもうちょっと好評価だったかも?

 

劇場で鑑賞。

 

 

 

 

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