えいざつき ~映画ポエマーの戯言~

映画批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

ネタバレ有:ラストなんていらないんだよ!! 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』話

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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www.imdb.com

 

アメリカ・フロリダ州。ディズニーワールドがある観光地であり裕福層の住居も存在する場所の隣では貧困層が安モーテルでその日暮らしをしている場所でもある。そこに住む。女の子ムーニーもその一人だ。大人たちは苦しんでいたがムーニーは新しい友だちのジャンシーもできて、モーテルの管理人ボビーの見守りもあり、それなりにその日その日を楽しんでいた。しかし、ムーニーの母親であるヘイリーの生活がさらに苦しくなり、ムーニーにとっての幸せは続かなくなる。

 

自分も含めて多くの観客が映画を観る際に触れるのは「物語」だ。これが無かったり不細工なら誰もが面白くないと感じるシロモノでもある。ちなみに最近だと無いのが細田守監督未来のミライで、不細工なのが福田雄一監督銀魂2になる。

 

そして「物語」は突き詰めれば三つの流れになる。

「どう始まるか?」、「どの様にして進むか?」、「どうやって終わらせるか?」だ。

そこで、もしも三つ目の「どうやって終わらせるか?」が無いとしたらどうなるのか?

 

『フロリダ・プロジェクト』、アメリ貧困層をテーマにした映画なのは分かるのだけれども、自分の関心・勉強不足のせいでディティールが掴みにくいところや先に是枝裕和監督万引き家族を観てしまったせいか、感動よりもシェーン・ベイカー監督の才気にちょっと感心した。の方が近い。

 

また観る前にディズニーワールドの情報を先に知っていたので、ラストシーンに余計なノイズが入ってしまい、ラストの秀逸さを見逃してしまい感情が削がれたのも確かだ。よく考えれば、「予約を間違えてゴネる観光客」、「ヘイリーが盗んだ通行パス」、「3つの輪の骨組みだけを残した看板。虹、そして花火」方々にそれらしきヒントを入れ込み、ディズニーのあのシンボルを指していながらも、そのモノはズバリとはいってはいないので、知っていなければラストの「シンデレラ城」に驚いて、続いてディズニー映画を観る時にいつも見る、おなじみの「あのマーク」をすぐに思い出して、それに唸っていたのかも知れない。しかし感情はそこまでは行ってはいない。

 

だけども、そんな個人的なことは脇に置くとしてムーニーの視点だけから見れば、あのマジカルエンドとやらは興味深い。

 

ムーニーはいわゆるクソガキだし、この子が住む世界もクソな世界だ。だけども物心がつかないこの子にとっては母も友だちもいるここは「夢の世界」-- これは当初、ウォルト・ディズニーがフロリダにテーマパークだけではなく人が住める都市そのものを構想していたところからからも、そしてそれは原題の"The Florida Project”の「理想と現実」との乖離である皮肉な部分で合致する。-- であり、そこを追放されれば悲劇でしかない。そこでクソな世界に欠けていたディズニーワールドの「シンデレラ城」をラストの落とし所にすればムーニーの物語は「終わった」のではなく「まだ、続いている」になる。つまり映画は終わったが、ムーニーの物語はまだ終わっていないことになる。文章でいえばピリオドではなくカンマで終わらせる。これがマジカルエンドだ。

 

こんな終わらせ方をしたのは現実にムーニーのような子供が存在するからだろう。あのラストが、希望なのか絶望なのか抗議なのかは自分には分からない。しかし、そこにはウィリアム・デフォーが演じたボビーの様なまなざしがあるのは確かなようだ。

 

参考

ウォルト・ディズニーが夢見た都市とは? 映画『トゥモローランド』が描く理想の世界から検証! | マイナビニュース

 


5/12(土)公開『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』本予告

 

 

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