ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
マーベルコミック原作の『X-MEN』シリーズ7作目の映画化であり、ニュージェネレーションの最終章。プロフェッサーXの右腕として、メンバーからの信頼も厚い優等生のジーン・グレイは大統領の依頼で宇宙で事故に遭ったシャトルを救出したときに、なぞのフレアに襲われて。抑え込まれていたもうひとつの人格が解放されてしまう。暴走を抑えられないジーン、彼女を止めようとするミュータント達、そしてそれを追う謎の集団。それぞれが交錯して事態は最終局面へと向かう。
サイモン・キンバーグ監督
◆思っていたほど悪くない
『X-MEN:ダーク・フェニックス』は日本公開前によるアメリカでの悪評を耳にして日本公開されたのだが、ネットの感想の大半が「思っていたほど悪くない」というのは誰もが納得はするけども「悪くない」の部分にモヤっとしてしまうのは予算をかけた大作にもかかわらずそれに見合った感情の沸き上がりが起こらないからだ。つまり、今作はアレがなーいのだ。
◆決め手にかける映画
この映画の弱点を一言で表すならそーなる。決め手とは辞書のとおり「物事の真偽や勝負事での勝ち負けを決定する手段・方法。また、そのよりどころ」と「物事を最終的に決める人」だ。だからこの映画の評価が「思っていたほど悪くない」とう云うのになるのは分かる。娯楽にとって決め手とは観客が感動するポイントであり、留飲を下げるポイントでもあるからだ。
ただ決め手とはコレといった具体的なモノはない。映像、演技、VFX、スタント、金のかかったセット等々作品ごとに千差万別にある。だけども一番わかりやすいのは特撮ヒーローの必殺技だったり、かつてテレビ時代劇で人気のあった『水戸黄門 (第1-13部)』における葵の御紋だーったり。
だが今作にはそれがないのだ。ファースト・ジェネレーションの最終章なのにだ。
だから、ジーンとチャールズの葛藤を中心とするドラマはあるし、敵役はジェシカ・チャステインだし、それなりの見せ場もあるのになーんか物足りなさが最後までつきまとうことになる。
ものすごーく簡単にまとめるとキンバーグ監督、脚本から画におこすのが精一杯で自分らしい映画の演出をしていないのがまるわかりなのだ。
◆ついでにいわせると「あそび」がない
「あそび」というのは『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』の売りだと思われた「その時代とのかかわり」が今作では前作『X-MEN: アポカリプス』よりさらに希薄なところだ。なにせ舞台が1992年なのにそれを象徴するのがスペースシャトルぐらいで、物語そのものが別にその時代でなくても成立する。そしてそれができなかったがためにどーしても『X-MEN: ファイナル ディシジョン』を思い出し比べてしまう等々も含めてだ。
やーっぱり、『X-MEN: フューチャー&パスト』以降、マシュー・ヴォーンが抜けたのが有終の美を飾れなかった遠因かもしれない。
確かにわーるくはないのだけれども……。
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