ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして、今回は
『ガントレット』
キーワードは。
早すぎたムービー!
今回はネタバレはなし。
1988年の『ダイ・ハード』の何が画期的なアクション映画だったかというと従来のアクション映画の主な見せ場がカーチェイスと銃撃戦と格闘戦だったのに対して『ダイ・ハード』では破壊のカタルシスを入れてきたところだ。
つまり、ハラハラドキドキのスリル中心だったアクション映画に何かが壊れるスラップスティックの快楽を足したところに新鮮さを感じだからこそ楽しく面白くなった。そして『ダイ・ハード』以降、アクション映画の流れが替わったのは確かだ。
と、最近まで、そう思っていたのだけれども、久しぶりに今作『ガントレット』を観直して気が付いた、「こっちが先だ」と。この映画はアクションのスリルより破壊のカタルシス成分が高い。
そして、破壊のカタルシスが目玉のジャンルは何といってもパニック映画なのだが、今作の着想はパニック映画から取りました。と宣言している。
1970年の『大空港』は70年代映画興行を席巻した航空パニック映画で、70年代映画興行を席巻したパニック映画ブームの先駆けの作品だが、そこに登場するキャラクターで女優ヘレン・ヘイズが演じる飄々としたユーモラスなお婆さんが出演している。(画像はimdb)
そして、『ガントレット』でも同じ様なお婆さんが現れるからだ。だからこれは意図としてやっていると考えるしかない。だから、今作はそれまでのアクション映画にパニック映画での破壊のカタルシスをあえて取り得れていると考えしかない。
新しいのだ。しかし、新しすぎた。そしてその新しさ故の齟齬も表れている。家!ヘリ!そしてバス!と三つのスラップスティックな見せ場があるのだが、その繋ぎが単調にも思え、また当時としてはマンガチックな印象を与えているのも確かだ。現在では主流になってしまったが……。
どうして、こんなアイディアと構成になったかといえば、やはりイーストウッドの当時のイメージ『ダーティハリー』との差別化を図るためだろう。特にこの前年1976年には『ダーティハリー3』が公開されているし。バイオレンスでも破壊の方に特化した今作なのだ。
もっとも当時付き合っていた女優ソンドラ・ロックとイチャイチャしたかったがために撮った可能性もあるけど。
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