ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
刑務所から出獄したジェイクはシカゴの孤児院で弟のように共に暮らしてきたエルウッドの迎えを受けた。黒い帽子に黒い服とサングラスの義兄弟である二人は育った孤児院が税金が払えずに差し押さえの危機にある事を知って。前に仲間と作っていたリズム・アンド・ブルース・バンドを再結成して金を稼ごうと、かつての仲間を集めてコンサートを開くが、そこに警察とカントリー野郎と差別主義グループと謎の女が絡み収集がつかない事態へと展開する。
いくつかの映画には神様が降臨したとしか思えない作品がたまに存在する。自分にとっては『ガメラ 大怪獣空中決戦』や『死霊のはらわた』等々、そしてこの『ブルース・ブラザース』がそれになる。
ただ、これは映画の神様の後ろ髪を捕まえただけではなく、それをブンブンと振り回して神様をベタンベタンと叩きつけた感じの作品なのだ。いや、本当に。
実はこの映画、今見直すと演出が野暮ったいのだが、それがジョン・ベルーシとダン・エイクロイドのブルース・ブラザーズの。それプラスで、ジェームス・ブラウンの説教、アレサ・フランクリンの悪態、レイ・チャールズが銃をぶっ放し、ジョン・リー・フッカーが町でしれっとキーを叩き、キャブ・キャロウェイが前座で歌い、何十台も車が破壊されて、警察どころか州兵も軍隊も総動員で出動する、スプラスティックでハチャメチャでアナーキーな、この不思議なテンションの高さになっちゃうのはどうだ!?子供の頃にテレビで観て以来、何回観直してもその感想は変わらない。そして初めてスクリーンで観ても変わらない!!元々はコメディ番組のサタデー・ナイト・ライブの人気コーナーからの映画化でアメリカ本国でのヒットは分かるが、公開当時に日本でもヒットしたのはこの雰囲気に中てられた人が自分以外にも数多くいたからに決まっている。-- 個人的には前述した歌い手たちを知ったのもこの映画からだった。
もちろん見所はブルース・ブラザースと大御所たちの歌と踊りだし、湯水のごとくぶっこわれてゆく、車!車!車!車 ‼ の連続。そして、人!人!人!人 ‼ の物力作戦といった展開でギャグに意味を求めても無意味!といわんばかり。 -- でもちょっとだけ言っちゃうと黒人音楽の映画だけに、あのシーンは公民権運動の騒乱パロディかとも思ったり。
しかし、神様をベタンベタンと叩きつけてしまったがために、この映画がランディスやエイクロイドにとって唯一無二なってしまった気がする。何しろ18年ぶりの続編、『ブルース・ブラザース2000』も面白かったのだけれども、何だか「楽しいお通夜」のようでもあったからだ。
とにかく、宗教の奇跡は信じられなくても映画の奇蹟は信じられる。それを永遠に残してゆける。そんな作品の一つが、この映画だ。
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