えいざつき ~映画ポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。映画、SFが多めです。そして妄想が暴走してポエムになります。

【ネタバレ無(?)】体験地獄?『地獄少女』

お題「最近見た映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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www.imdb.com

 

ドラマ化もされた人気オリジナルテレビアニメ『地獄少女』の実写映画化。「深夜0時に開く秘密のサイト<地獄通信>で依頼すると、地獄少女が現われて恨みを晴らしてくれる」という都市伝説が巷で話題となっていた。女子高生の市川美保は、大好きな地下アーティスト・魔鬼のライブで知り合った南條遥と知り合い深い仲になるが、遥が魔鬼のライブに出演するようになると徐々におかしくなってゆく。心配した美保は地獄少女と因縁があるルポライターの工藤と真相を探ろうとするのだが。

 白石晃士監督

 

注意:できる限り内容への言及は避けますが、抵触しそうな可能性もあるので、純粋にこの映画を楽しみたい方には、ご遠慮くださるようお願いします。

 

自分は『地獄少女』のニワカファンだ。

 

「また、それか」と思う方もいるだろうが、真でガチのファンは地獄少女こと閻魔あいに「いっぺんしんでみる」とつぶやかれて、喜んで死んで地獄に堕ちるのもいとわないだろうが、さすがに自分は、まだ死にたくないし、地獄にも堕ちたくはないが、閻魔あいに「いっぺんしんでみる」とはささやかれてみたいと思ったことがあるので。つまり、ようするにその程度のファンだ。

 

それでも、『地獄少女』の実写化なら観ておくべきだろうと思ってそうしたのだが、結論からいえば、今年のホラーNo1!同時期の上映『IT:chapter two』や『ブライトバーン』よりも怖かった。最近のホラーの理屈っぽくて頭を使う向きに飽き飽きしていたせいかもしれないが。何より『地獄少女』には自分の好む怖さを感じた。

 

それは後述するとして、まずは、この映画の見所を2ヵ所あげておきたい。

 

まず最初は体験地獄堕ち、だ。この映画ではことわざの「人を呪わば穴二つ」どおり、地獄に堕ちるのは罪人だけではなく依頼者も死んだら地獄へ堕ちる。そのために今作では「地獄はこんなところですよ」と依頼者に地獄に堕として体験させるシーンがある。これはオリジナルにはなかった映画独自の設定だ。この地獄描写が、かつて「怪談映画の巨匠」と呼ばれ、一時は恐怖描写の定番だったと云われている中川信夫監督の『地獄を思わせるモノで、このシーンを入れることで依頼者の怨みの深さが見えるようにもなっている。あと1976年キャリー』のデ・パルマ作品風なシーンもあるし、もちろんJホラー的な恐怖演出もちゃんとある。

 

次は、閻魔あいを補佐する仲間である輪入道を演じた麿赤兒(まろ あかじ)だ。オリジナルのお約束でもある、罪人の潜入調査が今作でもあるのだが、罪人はイケメンの地下(アングラ)アーティストなので、そこにバックコーラスとして、潜入するのが麿赤兒なのだ。アーティスト以外もイケメンが揃っているその面々の中に混ざってバックコーラスで謡っている麿赤兒このシュールな画が良い意味でユーモアになっていて一本調子になりがちなところに緩急をつけている。もっとも、そのインパクトのために他の仲間の存在が薄れがちなのだけども。

 

ちなみに、このドラマの主人公は閻魔あいを演じた玉木ティナではない。市川美保を演じた森七菜だ。つねに葛藤は人の方にあるのであり、人でない閻魔あいはドラマを転がす狂言回し的な存在にすぎない。ここもオリジナルと同じ。

 

でも、ちょっと変化をつけているのは、今作は怨みばかりではないってところだ。ここで前述した体験地獄堕ちがラストに地味に効いてくる。そして、後述の部分を絡めて語れば、そのために画も含めての結果として今作は恐怖と美しさが混在して表れているのだ。お菓子の宣伝文句みたいだが、「恐怖のゾクゾク感」と「美しさのゾクゾク感」の違った二種類のゾクゾク感が楽しめる。もちろん小林正樹監督『怪談』と肩を並べているとまで強弁するつもりはないが、それでもこの「恐いと美しい」、はここ最近では見当たらなかったので、つい嬉しくなった。

 

と、まぁ。随所の小技がちゃんとハマって充分に楽しめた。その後で、白石監督にはいつか本格的に時代劇ホラーを撮ってもらいたいな。と思った感想でした。

 

 


【公式】『地獄少女』11.15Fri公開/本予告

  

 

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