ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
闘えデブゴン!愛のために
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして今回のキーワードは。
リスペクト対決!
なんかこう、ザッツ正月映画ってな感じですね。
感想はこんな感じです。今回はあらすじは書かない。本作の見所のひとつに、あのアクションスターのドニー・イェンがどうやって肥るのかがあるからだ。
もちろん無敵なのはお約束でテンプレだ!
しかし、昔はこんな目出たくてゆる~~い感じの作品が、年末年始の映画では結構あったような記憶がするのだけれども、最近はこうゆう作品が少なくなって寂しい。
でも、ギャグだけを映画館で流す 新〇〇・三〇〇志みたいなのとはわけが違う ちゃんとした映画でだ。
と、まあ、最初に書いたとおり本作は、悪い出来ではないが決して傑作とか映画史で語り継がれる何てモノではなくて、自分のような好きモノが、いつか何かで何処かで思い出す程度の作品なのだ。同じ香港アクションで例えるなら、ジャッキー・チェン主演の『プロジェクトA』(1983)が映画ファンに語り継がれる作品なら、コレは好き者がたまに語る、ジャッキーがチョイと出演した『香港発活劇エクスプレス 大福星』(1985)くらいの違いはある。
ちなみに『大福星』とは日本で撮影が行われた香港のアクションコメディ作で今回は本作ともっとも近くて相応しいところにある。少なくとも、同じく日本ロケだが、笑いがない『新宿インシデント』(2009)や『マンハント』(2017)ではない事は確かだ。
回りくどくなったけど本作もアクションコメディなのだ。まあ、あのドニー・イェンが肥満体型でアクションをするのだから、そりゃそうなる。
あ、一言いっとくけど、デブネタでギャグろうとするところはないよ。
また、ちなみに本作の悪役はジャパニーズマフィアことヤクザなのだが、何故かクンフーをします。この一言だけでも本作がコメディだって事はわかるでしょ。
そして、それプラス『燃えよデブゴン』のタイトルのとおり本作はブルース・リーへのリスペクトにもなっている。まず本作のテーマ曲は『ドラゴンへの道』(1972)のテーマ曲が使われている。
それに主人公の名前がチュウ・フクロン(朱福龍)とドラゴン -- 本作だと幸せを意味する龍? -- だし、何よりも日本側の共演者の竹中直人がいるからだ。
どうして竹中直人が?の疑問をお持ちの方もいらっしゃるだろうが、この人、今でこそ大河ドラマで秀吉を演じる(古い!)くらいに名を上げたが、元々デビューはコメディアンであり、持ちネタのひとつにブルース・リーのものまね芸があったという人だ。
竹中直人がブルース・リーのものまね披露。テレビ界では一番最初!
そして、ドニー・イェン基礎知識として彼が熱狂的なブルース・リーファンである事は誰でも知っている。
つまり、ドニー・イェンと竹中直人と、ブルース・リーを敬愛する二人の男のブルース・リー対決が本作で見られる!わけだ。ちなみに本作を観るまで、ずっと、ずーっと忘れていたが、関根勤のカマキリ拳法と竹中直人のブルース・リーものまね対決を見たかったなぁ……………というのを思い出したぞ、こっちはこっちで、スゲーグッー!
もちろんブルース・リーを象徴する、あの武器も登場するのだ。
また、冒頭の説明から察せられるように日本オールロケ作品ではなく、セットと組合わせて撮影しているために「ここは日本ロケ?ここはセット?」という楽しみもある。
でも、そんなディープな情報を知らなくても、誰にでも気楽に楽しめるという意味で、本当にメデタイメデタイ気分になるのが本作だ。それ以上は求めるな!
あ、本作はサモ・ハン・キンポーの『燃えよデブゴン』(1978)とは関係がありません。でもブルース・リーへのリスペクトは一緒だ。
劇場で鑑賞