ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ニューヨークの大学で超常現象を研究していたピーター、レイモンド、イーガンは、目立った成果をあげることができず、ついに研究費を打ち切られて大学を追い出されてしまう。3人は幽霊退治稼業の「ゴーストバスターズ」を立ち上げ、高級ホテルに巣くう幽霊を本当に退治したことから、一躍世間の注目を浴びるが……。
映画.comより引用
今回はネタバレ無しの回顧モード
本作は80年代に公開されたホラーコメディで、名作ではないけども、今でも人気があって、多くの人々に愛されている作品だ。
でもまずは、思い出話から書く。
むかし〜昔、1984年の終わり頃から1985年の初め頃まで、誰が仕掛けたのかは知らないが、『ゴジラ』、『グレムリン』、そして本作『ゴーストバスターズ』の頭スペルGを取って「3G対決」と正月映画を盛り上げる宣伝があった。そこで勝利したのが本作。
1985年 配給収入
〇ゴーストバスターズ 41億
〇グレムリン 32億
*日本映画製作者連盟より
ちなみにこの年の配給収入ベストワン。
レイ・パーカー・ジュニアの主題歌も大ヒットの話題作だった。
そして個人としては、そこで見せたハリウッドの特撮の物凄さに打ちのめされた作品でもある。
当時、SF映画好きな子供であり、だから特撮好き小僧でもあった自分は『スター・ウォーズ』の革命的な特殊効果に衝撃を受けながらも、どこかで「アレは合成処理が発達しているハリウッドだからであって、ミニチュアと気ぐるみではまだ大丈夫」という思い込みをクライマックスで打ちのめされた形となる。
今にして思えば 、ハリウッドの予算をかけたやり方に、どう見たって不利な日本映画が鼻から勝てる訳がないのだが、まあそんなショックを受けた訳だ。
そんな本作での大事なポイントはたった一つだ。
もちろん個性豊かなキャラクターと曲者揃いのゴースト達の魅力が作品全体に覆われているのは絶対条件だけど、本当にポイントは一つだけ。
主役にツッコミ役をさせる。
これだけ。
本作で言ったらビル・マーレイが演じたピーターがソレにあたる。
これは当てずっぽうではなく、同じくコメディである『バッグ・トゥ・ザ・フューチャー』(1985) でも主役をツッコミにして成功しているからだ。こちらも人々に愛されている作品なのは異論が無いはず。
コメディ→ 笑いが成立するにはボケに対して「なんでやねん!」とツッコミを入れて来ないと笑いが起こらないから。
ボケばっかりでツッコミが無いと、ソレは単にウザいだけ。
なので、コメディには的確なタイミングでのツッコミがどうしても必要。
だから、ツッコミが足りなくなると単に騒がしさだけが印象に残るケースが多い。『1941』(1979) とかな。
個人的には大好きだけど、ソレとコレは別!
もちろん、ウェス・アンダーソンとか、ジム・ジャームッシュとの巧い人なら、そんなキャラ配置をしなくても演出でツッコミができるのだけれども、本作を撮ったアイバン・アルトマンはそこまでの技量は無かったらしく、キャラ配置でそれを収めている。
だから、やや欠体な、ゴーストが暴れる様にマーレイの無表情でボヤきが本作では見事なツッコミになって笑いとして成り立っている。
だから後はゴースト達をどう配置するかで作品は決まるし、事実そうなった。
-- 1989年の続編が苦しかったのは、まぁアレを超えるキャラなんて早々生み出されるはずもなし……まぁ、ツッコミ難い。
笑いはツッコミこそが大事。
その的確なツッコミこそが本作を今でも皆に愛されている作品にしているのは確か。
今日のポエム
ツッコミなめんなよ!
BDで鑑賞。