ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
1942年、ドイツ軍に占領されたトブルクの燃料貯蔵施設を破壊しDAK(ドイツアフリカ軍団)の補給を絶つべく、ドイツ軍ブランディング隊に偽装したドイツ系ユダヤ人部隊SIGの協力を得て侵入する作戦がイギリス軍コマンド部隊に下令された。作戦開始に当たり、ヴィシーフランス軍捕虜となったLRDG(長距離砂漠挺身隊)のクレイグ少佐がSIGの手により奪還される。元スタンダード石油勤務で砂漠戦に長けたクレイグ少佐が補佐しハーカー大佐の指揮の下、イギリス兵は捕虜、バーグマン大尉率いるSIG部隊は護送役としてLRDGの拠点クフラより出発する。
Wikpediaより引用
今回はネタバレなしの紹介モード
ひさしぶりに唐突だが、今回も『ゴースト&ダークネス』みたいに、本当に隠れた傑作のひとり語りをしたいと思う。
実は、ひさしぶりに観直したのだが……
まぁ、面白さはかわらん!当たり前だけど。
でも本作は、当時アメリカでも日本でも大ヒットしたらしいが、にもかかわらずに大衆からは忘れ去られて、今や日本ではタイトルの硬さと馴染みが薄いスター俳優とのダブルで戦争映画ファンの記憶のみに残る作品に落ち着いてしまったところがある。
まずはタイトルの『トブルク戦線』。これは実際に行われた作戦だが、そこからスクリーンに歴史的な偉業(または汚点)を再現したものと連想されがちだが、本作の系統は実は『ナヴァロンの要塞』(1961) からはじまり『特攻大作戦』(1967) を通っている戦争アクションジャンルの作品だ。
-- ちなみに英語版Wikpedia情報だと作戦そのものは失敗しているんだとさ。
しかし、『U-571』(2000) といい、大戦中に味方に攻撃されかねない敵なりすまし作戦を実行するイギリスって何なんだろう?トロイの木馬にでも憬れているとか。
イギリス人って……
でもまぁ、評価が高くないってのはなんとなくだけど分かる。本作はイギリス軍人とユダヤ人部隊の合同作戦なんだけども、率直に言って英国ぽっく無い。特に主演のロック・ハドソンは……
どう見てもスタローンにしか見えない。😂
本作のイギリスぽっさは主演のひとりナイジェル・グリーンがギリで担保しているくらいで、あとはなんかアメリカーンな感じ。
でも、それはハリウッド映画アルアルで納得できたとしても、実は作品のそのものの根本が、前述した『ナヴァロンの要塞』からの応用なのが丸わかりで、言っちまえば二番煎じの印象を与えているところがある。
逆に言えば、ナヴァロンの要塞の設定とプロットはとても良く出来ていた証明にもなっている。
それは17年ぶりの続編『ナヴァロンの嵐』の出来上がりからも直観で分かる。
おそらくこれらは、ある種数学の方程式みたいなモノで、そこに数学を入れれば色々な面白さが導き出されたように、本作もそれをとても巧く使ったって感じ。
まぁ、映画をオリジナリティやメッセージの良さや画の美しさで感動する輩には不向きだろうが、それがどうした。
面白いのは面白い!
七人の侍の設定とプロットが世界中に何度使われたと思うか。だったらあの作品もダメだろ。なっ!(強弁)
その、ナヴァロンの要塞方程式を巧く使いこなしたのは脚本のレオ・ゴードン。
彼は本業が俳優なので、本作にも出演しているが面倒なので、今回は画像は貼らない。
監督はアーサー・ヒラー。
って、すぐにはピンと来ないだろうが、アクションよりもドラマを中心に活動していて、あの名作『ある愛の詩』(1970) を撮っている……って、こっちも忘れ去られた傑作じゃないかよ!(セルフボケツッコミ)
最後に個人的な思い出話を書いておくと、本作に惹かれたのはロック・ハドソンの相棒役を務めたのがジョージ・ペパードだったから。 当時の彼の代表作がアクションテレビドラマ『特攻野郎Aチーム』のリーダー、ハンニバル・スミスという豪快なイメージが、本作では打って変わってクールな役どころなので面食らったが映画時代はこちらの方がベースなのな。
そうゆう意味では、今回は思い出補正がたっぷりと入っているかも知れないが、まぁ、いいです。
DVDで鑑賞。