ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
2022年/179分/インド
原題:RRRストーリー
1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた幼い少女を救うため立ち上がったビームと、大義のため英国政府の警察となったラーマ。それぞれに熱い思いを胸に秘めた2人は敵対する立場にあったが、互いの素性を知らずに、運命に導かれるように出会い、無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに、2人は友情か使命かの選択を迫られることになる。
スタッフ
監督S・S・ラージャマウリ
原案V・ビジャエーンドラ・プラサード
脚本S・S・ラージャマウリ
撮影K・K・センティル・クマール
美術サブ・シリル
衣装ラーマ・ラージャマウリ
編集A・スリーカル・プラサード
音楽M・M・キーラバーニ映画.comより引用
今回はネタバレなしの大絶賛誉めモード
いや、最高だったわ!
今年はじめて長い時間が取れたから『アバター2』とどちらにしようと迷ったが、復活上映を本作で大正解。あっと言う間の3時間だったわ。
『ドライブ・マイ・マイカー』は寝落ちしたのにな。(自虐ギャグ)
本作はインドに実在した二人の独立運動指導者をひとつのフィクションにまとめた物語だそうだ。つまり大ウソ。
FGOみたいなモノかね?
-- FGOはググってね。
だから、今回は主人公が男二人という事でブロマンスの香りが濃厚に放たれている。
ブロマンスというのは、ブラザーとロマンスをかけ合わせた言葉で、他から「夫婦か!」とツッコミを入れられるくらいに気心が固く通じあっている生まれも育ちも違う血は繋がっていない男性どうしの絆のことを指す。さらにここではノワールな味もあり具体的には『さらば友よ』(1968) とか『ハートブルー』(1991) みたいな作品群に近い。
しかしながら、あちらのブロマンスは一味違う……
“ナートゥ”をご存知か?
ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ、ナートゥ……。
インドのブロマンス表現パネェ!
とまぁ、こんな感じ。(察して!)
ブロマンスといえば言葉を交わさず目と目だけで通じ合う世界だが、本作では、さっきまで知らない者同士だったのに目と目が合っただけで人を助けることができるくらいに濃厚な、
ブロマンス!(ルネサンス!のノリで)
あと、後半にはジョン・ウーやジョニー・トーばりの香港アクションになるのだが、これにも……
パネェ!
が付くわけだ。
もちろん、ブロマンスも香港アクションもエモーショナルな魅力があってこそで、それが今でも映画ファンで語り草になっているのだが、本作にはこれに、
パネェ!
になって、独自すぎる魅力を強烈に放っている。
いや、逆に言えばパネェ!がなければこれほどエモーショナルなったかどうか怪しい。なんせノワールなブロマンスもカッコイイ香港アクションも、その魅力にストイックなベクトルをもつモノだが、本作にはそんなものない。
ギンギラギンにブロマンスと香港アクション。
これはもう、本作を撮ったラージャマウリ監督の資質かスタイルと呼ぶべきなのかもしれない。
弱気なのはインド映画はほとんど観てないからなの。
でも最高なのは間違いはない。(強引)
あと、最後に観ようか観まいか迷っている貴方に重要なポイントを二つ教える。
敵役のイギリス人が一人を除いて皆清々しいほどの全員悪人なので、シュワ、スタン、ノリス、マイケル・ダディコフの80年代アクションが好きなら誰もが大満足。
でも、ラージャマウリ監督作でも今回は青年二人だけで、『バーフバリ』であったイケオジなカッタッパ枠はないんでしょ?と迷う皆様方、あるぞ今回もカッタッパ枠!
劇場で鑑賞。