えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

晩酌をしながら観た『点と線』

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

ストーリー

冬の博多郊外、香椎湾の海岸の黒い岩の上に、男女の死体が並んでいた。検証の結果、合意の上の心中死体と断言された。男は〇〇省の課長補佐・佐山、女は東京赤坂の料亭小雪の女中・お時と判った。佐山の遺留品の中に、列車食堂の受取証があった。御一人様と書かれてある。老練の鳥飼刑事はそれに疑問を持った。男女は同じ汽車で来たのではないのか。博多の旅館を洗うと、佐山は一月十四日あさかぜ号で東京を発ち、東中洲の丹波屋に泊り、二十八日の夜、女性からの電話で宿を出、そのまま香椎海岸へ向ったらしいのだ。「小雪」の女中・八重子は東京駅で出発する二人を見かけたといった。一カ月後、警視庁捜査二課の三原刑事は福岡署へ向った。

スタッフ

監督小林恒夫
脚色井手雅人
原作松本清張
撮影藤井静
美術田辺達
音楽木下忠司

1958年製作/85分/日本
原題:The Dead End

映画.comより引用

 

今回はネタバレなしの微妙解説モード。

 

はじめて『点と線』を観た。いや松本清張……愛称松ちゃんといえば、『張り込み』(1958) や、『ゼロの焦点』(1961) とか、なによりもアノ『砂の器』(1974) の野村芳太郎監督と橋本忍山田洋次脚本トリオの松竹作品をまず思い出す輩なのだが、よーかんがえたら松竹以外松ちゃん作品なんて観たことが無かったので、たまたま配信されていたコノ作品をつまんでみたのだけども 。まぁ、野村松竹の方を見慣れた自分には違和感バリバリだったのよ。

 

とはいえ、作品そのもの悪い出来ではない。いや、逆に昨今のお涙頂戴ミステリーなどと比べるとはるかにまし。野村監督作品群に影響を受けた「感動させよう、泣かせよう」などと感じさせるベクトルはまったくなく、シャープでクール。

 

そんなコノ作品の脚本はこのときすでにベテランの井手雅人。野村だと『鬼畜』(1978) 『震える舌』(1980) が映画ファンには知られている。黒澤明とも組んだベテランなので展開の運びが巧い巧い。

 

わるいやつら』何ですかそれは?(すっとぼけ)

 

監督は小林恒夫。とはいっても観たことがあるのは『高度7000米 恐怖の4時間』(1959) だけで、これもシャープだったと覚えている。

 

だから、運びが巧い展開と演出シャープなので、クライマックスのエモーショナルというかドロッとした情念らしきモノがまったく感じられずに、ぶっちゃけなんか違う。

 

点と線

松本清張というよりも、よくできた西村京太郎サスペンス……みたいな。

 

そもそも原作もそうでもないのだが、それでもチョットあった清張作品特有のネチネチした何かがココにはまったく無いの。もしかして、これには松ちゃんは不満だったのではないかしら。でなければ、後々に野村と撮り込んで制作会社霧プロなんて立ち上げようなんて考えないから。(弱気)

 

と、まぁ。そんな感慨に耽ったのでした。

 

VODで鑑賞。

 

 

 

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