えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

コーダ あいのうた

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

ポスター画像

ストーリー

海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。

スタッフ

監督シアン・ヘダー
製作フィリップ・ルスレ ファブリス・ジャンフェルミ パトリック・ワックスバーガー ジェローム・セドゥ
オリジナル脚本ビクトリア・ベドス スタニスラス・カレ・ド・マルベルグ エリック・ラルティゴ トーマス・ビデガン
脚本シアン・ヘダー
撮影パウラ・ウイドブロ
美術ダイアン・リーダーマン
編集ジェロード・ブリッソン
音楽マリウス・デ・ブリーズ

2021年製作/112分/PG12/アメリカ・フランス・カナダ合作
原題:CODA

映画.comより引用

 

今回はネタバレスレスレの解説モード

 

やっと語れる……かなあ。

 

とりあえず公開当時は、ワッショイワッショイのお祭り状態で、近場でかかっていなかった自分は置いてけぼりムーブだったけども、そんな中で、

 

ドーダ

 

コーダ

 

なんてギャグを入れようなものなら。

 

ふざけるな!

 

って、怒られそうな状況だったからなぁ。

 

それに自分はオリジナル『エール!』の方が好きで、そのリメイクにあたる本作はその設定とプロットをより洗練させた感じで、良くなるのは当然だろうくらいにしか考えていたので、まぁ色々とニョモるところはあるのだけど、目立ったのは『エール!』で受けた「聴覚障害者の役を健常者が演じた」批判をココでは設定にそって聴覚障害者等が演じたことで株を上げたところがある。いわゆるPC(ポリティカル・コレクトレス)にそった撮り方をしているところ。

 

「人は物語に反応するのではなく、細部に反応する」を信じている自分からすれば、これまでのそういった作品群には障害者達が自分等が気にしない些細なニュアンスを受け取っているか、あるいは感じられななかったのかもしれない。それを本作で何とかしようと試みて専門のコーディネーターを立てる事でスタッフとの意思疎通を可能にして完成へと結びつけた。ある意味ではリベラルに立った考え方だ。

 

しかし、そんな背景は抜きとして、本質としては本作はよくある物語とドラマだ。素晴らしい素質(ギフト)をもつ若者が、家族と周りの人々とに祝福を受けて旅立つ物語でドラマなのだから。使いつくされた物語でドラマでもある。言っちまえば、これに感動しないのは、ほぼいないと言ってもよく、ぶっちゃけ保守的だ。

 

本作はそこに、新しい要素を入れることで描くことができた。だから、まさしく「新しい酒を古い革袋に盛った」作品なのだ。

 

早い話、いちご大福。みたいな作品。

 

だから、公開当時の「新時代のヤツがキター!」で評価されている雰囲気についていけなかったところがあった。

 

でもまぁ、本作自体に否定できない、ある種の愛嬌を感じたのもまた確か。

 

コーダ あいのうた(映画.comより)

おそらくは数年後には映画ファンの間からは忘れ去られだろうけど、さらに数十年経つと懐かしさをもって「あれは良かったよね」で語られる作品になるんじゃないだろうか。『がんばれ!ベアーズ』(1976)みたいな……。

 

そんな気がします。

 

VODで鑑賞。

 

 

 

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