ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ストーリー
ピンクに彩られた夢のような世界「バービーランド」。そこに暮らす住民は、皆が「バービー」であり、皆が「ケン」と呼ばれている。そんなバービーランドで、オシャレ好きなバービーは、ピュアなボーイフレンドのケンとともに、完璧でハッピーな毎日を過ごしていた。ところがある日、彼女の身体に異変が起こる。困った彼女は世界の秘密を知る変わり者のバービーに導かれ、ケンとともに人間の世界へと旅に出る。しかしロサンゼルスにたどり着いたバービーとケンは人間たちから好奇の目を向けられ、思わぬトラブルに見舞われてしまう。スタッフ
監督グレタ・ガーウィグ
製作デビッド・ハイマン マーゴット・ロビー トム・アカーリー ロビー・ブレナー
製作総指揮マイケル・シャープ ジョージー・マクナマラ イノン・クライツ コートニー・バレンティ トビー・エメリッヒ ケイト・アダムス
脚本グレタ・ガーウィグ ノア・バームバック
撮影ロドリゴ・プリエト
美術サラ・グリーンウッド
衣装ジャクリーン・デュラン
編集ニック・ヒューイ
音楽アレクサンドル・デスプラ2023年製作/114分/G/アメリカ
原題:Barbie映画.comより
今回はネタバレスレスレの……解説モード
注意:今回は核心に迫る内容には言及していませんが、純粋に楽しみたい方には読まない事をお薦めします。
ツライ。観ていてつらいわ。
それはともかく、現在でも販売されている人形を題材にしたコノ作品。メッセージはともかく、スタイルとしては初期の『ちびまる子ちゃん』と同じでシチュエーションとスラップスティックの間を行き来しているみたいな、おバカ映画だ。キートン山田(←古い)ならぬヘレン・ミレンのツッコミナレーションが入るし。
でも、おバカの体裁はとってはいるが、ここでバカの材料こと批判の対象となっているのが、自分もかつてブログで書いた事がある『羊たちの沈黙』で描かれた、一時期当たり前のようになっていた自助的フェミニズムだろう。女性が男性優位社会(マチスモ)に対抗するためには彼等と同じ地位と権力をもつべきの考えのフェミニズム運動に対する批判的雰囲気を多く持っているのは確か。
だから、ソレを目指さなくとも女性(男性もあるいはすべての性も)は多様であっていい。の考えに本作は貫かれている。マーゴット・ロビー演じるバービーはキュートだけども、それ以外のモノが何も無い存在として描かれて最終的にはどう成ってゆくのかがドラマのキモになっている。
新たな曲面にバービーこと女性が進化してゆくドラマがコレ。
なので、オープニングが『2001年宇宙の旅』のパロディーなのは一発ギャグなのではなく、モノリスこと神の力で類人猿から進化した人類がさらに神と出会って進化するドラマであればバービーで目覚めた少女等がさらなる高みへと進化してゆく様を描いているともいえる。神様も出てくるしな。
さて、本作で女性等を縛り付けている自助的フェミニズムも本来は男性優位社会にそって作り上げたモノなので、やはり流れとして男性性も批判されるのは当然なのだが、
それがツライ。
だって、有害な、とかじゃなくて、普通の男性性が批判ことギャグのネタになっているのだから。
昔、ネットで流布して話題になった『東京タラレバ娘』のダークナイトみたいなアルアルがクライマックスで怒涛のごとく押し寄せて来るのだから。
まぁ、途中で予測はしたけど、やっぱりツライかったわ。
こんな感想もアリ……だろ?
劇場で鑑賞。