ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ストーリー
地球からはるか彼方の神秘の星パンドラ。元海兵隊員のジェイクはパンドラの一員となり、先住民ナヴィの女性ネイティリと結ばれた。2人は家族を築き、子どもたちと平和に暮らしていたが、再び人類がパンドラに現れたことで、その生活は一変する。神聖な森を追われたジェイクとその一家は、未知なる海の部族のもとへ身を寄せることになる。しかし、その美しい海辺の楽園にも侵略の手が迫っていた。スタッフ
監督ジェームズ・キャメロン
製作ジェームズ・キャメロン ジョン・ランドー
製作総指揮デビッド・バルデス リチャード・ベイナム
原案ェームズ・キャメロン リック・ジャッファ アマンダ・シルバー ジョシュ・フリードマン シェーン・サレルノ
脚本ジェームズ・キャメロン リック・ジャッファ アマンダ・シルバー
撮影ラッセル・カーペンター
美術ディラン・コール ベン・プロクター
衣装デボラ・L・スコット
編集スティーブン・リフキン デビッド・ブレナー ジョン・ルフーア ジェームズ・キャメロン
音楽サイモン・フラングレン2022年製作/192分/G/アメリカ
原題:Avatar: The Way of Water映画.comより
今回はネタバレなしの解説モード
さて、話は去年の年末からはじまる。ネットでアバター2の情報を耳にしたときからだ。
前作『アバター』から13年たってからの続編。
上映時間は休憩なしの192分。
オレの膀胱を壊す気か!
デジタルになってからリールの大きさ気にしないせいか、大作ほど長くなってゆくぞ。何なんアレは。
-- いや、昨今の配信ドラマのクオリティの高さ&充実ぶりをみれば、対抗してこないなってゆくのは良く分かるけどさ……けどなぁ。
さて、どうしようか……。正直、このシリーズは3D見世物作品としては画期的だし、そこは評価もしているのだけども、やはり長い。
しかも、やっかいな事に、政府が新型コロナの対応を変えてゆくとかで、社会が元通りに戻るかな?で急激な人手不足に入り自由な時間が取りにくい状況だったので、さすがに半日をつぶす本作を観るのは難しい。
と、モヤモヤと考えていたら年末も過ぎ1月後半頃になって、不意にその時間ができたので、遅まきながらも3Dではなく通常版2Dを観た。……これが8ヶ月前のエピソード。
なのだけども……。
……あの〜、私気が付いたんですけど。(懐かしドラマ風)
キャメロンことキャメちん、どうやらジョン・ウェインのファンらしい。
だって〜このドラマは、フォードの『捜索者』(1956)の設定を逆さまにしただけなんですもの。
そこをチョイと説明すると、『捜索者』とは老年期に入ろうとしている頑固な男とネイティブアメリカンとの混血の青年が、同じくネイティブに拐われた少女とその酋長を探すために何年もかける物語。
後は『捜索者』についてはコッチに書いたから読んで。(セルフ丸投げ)
しかし、設定は真逆なので、『捜索者』の主役ことジョン・ウェインがコノ作品では敵役のスティーブ・ラングになり『捜索者』の敵役のコマンチ族の酋長がコノ作品ではナビィのオマティカヤ族リーダーに主役が当て側れていて、「これが時代というやつなのか……」という逆転が起こっている。
また、コレだけでなく西部劇への憧憬を感じさせるカットもある。惑星パンドラの架空の翼竜を乗りこなすアレは、どう見ても馬を乗りこなすロデオを連想させる。
ぶっちゃけ、キャメちんはジョン・ウェインと西部劇が好き。大好き!ショットガンにこだわるのもそんなトコロだろうし。
『ターミネーター』の1、2も『エイリアン2』も早い話がドラマは西部劇。そのプロットと設定を絶妙に変えてSFにするのがキャメちんの流儀。
だから、表向きは反捕鯨・エコロジカルなSFファンタジーを多くの映画ファンがコレをすんなりと受け入れたのはキャメちんが好きだった西部劇からはじまったハリウッドアクション映画のディテールに、映画ファンもまた無意識に反応しているわけ。
そうゆう意味では、思想としてはリベラルに感じるキャメロン作品は、実は映画の好みは保守的なので、その矛盾との格闘を自身がやっているのが、そのまま作品の出来上がりに影響を与えているとも言える。
というのを、ずっーと前に考えて、今さらコレを書いている。
劇場&VODで鑑賞。