ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
注意:今回は核心に迫る内容には触れていませんが、より楽しみたい方には読まない事をお勧めいたします。
いや、清々しいほどの痛快作だった。
もちろん大絶賛です。
さて内容は、かつて「竜巻を消す」研究をしていたが、それで研究仲間と恋人を失う過去を持っていた女性主人公が、かつての研究仲間に懇願されて竜巻のデータ収集のためにアメリカ南部に帰ってくる。そこで、竜巻を追うユーチューバーの男性と知り合い最初は反発するが、彼女のバックが土地転がしだと知りそこを離れ、実はユーチューバーが儲けを竜巻被害に当てている事を知り彼等共に「竜巻を消す」作戦を決行する……流れだ。
物語はこんな感じだが、ドラマは2つの要素が織り込まれている。
一つ目は怪獣映画。
ぶっちゃけ『ゴジラ−1.0』(2023)
いまさら『ゴジラ−1.0』について語るのは野暮なのは承知で言うなら、主人公がかつて立ち寄った島にゴジラと遭遇して彼とたった一人が生き残って全滅して数年後、その傷を引きずる主人公が再び現れたゴジラと対決する。
本作の主人公と設定が同じ。
こうして比べると、いったん挫折した者が再び立ち上がる。という王道設定、そりゃ彼の国でもヒットする訳だわ。
そして2つ目は、カウボーイ。
チョイ加えるとロデオ。
ロデオとは、カウボーイが野生馬や牛を自分のテクニックでコントロール下に置く技術で、それをショー化したものが本作にも出ていた。そして本作でもカウボーイを意識したキャラが登場して竜巻へと突っ込んで行くので容易に推察できる。
ようするに「竜巻を消す」とはそうゆうこと。これはロデオなのだ。
本作では、そんなアメリカ南部の風景・風俗だけでなく習俗まで取り込んで物語とドラマとして昇華しているので、作品として奥行きがあるし、スカッと抜ける感動も爽快感がある。
ただ、そういったのはかつては男性至上主義や白人至上主義の土台で成り立っているので、本作ではそういったものは取り除いて現在の価値観にそって人種や性差を組み込んで再構成、刷新に成功している。
何という粋なポリコレ。(褒めてます)
ヒャほぅう最高だぜ!
ちなみに、本作は前作からの続編の立ち位置だが、前作は観なくても全然OK👍️
(画像はすべて映画.com より)
劇場で鑑賞。
監督:リー・アイザック・チョン
脚本:マーク・L・スミス
撮影:ダン・ミンデル
編集:テリン・A・シュロップシャー
2024年アメリカ