えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

『猿の惑星:聖戦記』の「新しさ」について

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][加筆修正有]

 


映画『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』予告編

www.foxmovies.jp

 

 

人類は見事なまでに衰退しました!三部作最後を重厚感で締めた『猿の惑星: 聖戦記』の感想はこんな感じだ。正直、ヒューマン(人間)とエイプ(類人猿)との確執と抗争を描いてきた、この三部作の落としどころはやっぱり「人類との共存」だと思い込んでいたから、オリジナルの『猿の惑星』にあったある設定を使って、ここまでキッチリと堕ちてゆく描写すると清々しさえ思える。

 

そして、オリジナルをリスペクト --例えば、海岸を馬で行くシーザー達の姿がオリジナルでの主人公テイラーが受けたあの衝撃的なラストを連想させる。-- を色々としている。

 

正直、『新世紀』までの猿インフルエンザで人口が激減した設定は猿側には都合がよすぎる設定だ。猿にも何かが及ぶはずだ。と考えていたので、『聖戦記』での実験ではなく感染でそうなったバッド・エイプを見て「ちゃんと考えていたのに疑ってごめんなさい」な気持ちもある。そしてバッド・エイプで描写したウィルス変異の描写がそのまま人間の少女ノバの秘密にもつながっている上手さもある。

 

そして正面きっての戦争ではなく、一見本筋から離れた復讐劇にみえるこのドラマが、実は人類衰退の描写を上手く描いている。「ナルホド、そりゃ滅びの道をゆくわ」な感情が湧く。

 

それと、役者の演技を忠実に再現できるモーションキャプチャーとリアルなCGIの映像技術がひと昔なら思いもつかなかったドラマを展開している。それがまた衰退の描写と結びついている。

 

ここではそれを踏まえて、どうして自分が人間は滅んでゆくかと思ったのかを書いてみたいと思います。

 

 

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ここからはネタバレになります。観ていない方にはおススメできません。

 

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『エルネスト』で描写されたゲバラの「新しい人間」についてのネタバレスレスレの感想

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][加筆修正有]

 


阪本順治監督×オダギリジョー/映画『エルネスト』特報

www.ernesto.jp

 

自分が良く使う言い回しで「観る人を選ぶ」があるが、これは見かけとは違ってテーマがズレているいるにも関わらず、それを(作中で強引にでも)修正せずにそのまま描写してしまう唐突感がある作品に使っている。最近だと『エイリアン: コヴェナント』がそれに当る。

 

ちなみに自分は「何々の知識があったら、もっと(その映画)楽しめた」にもそんなに気にするな。みたいな言い回しもする。何故なら観ている者にそんな気持ちにさせる映画はすでに、あなたの心を捉えているから。だ。その映画に感動した証拠だ。乱暴な言い方になるが『ちはやふる』を観て競技かるたや百人一首に興味が湧いても『バットマン vs スーパーマン』を観てDCコミックスに興味は湧かないのと同じだ。

 

本題に戻ると。それでは、逆に多くの人がよく知らない、分からない情報や概念を直接は説明しないで感じさせるにはどう工夫したら良いのか?その二つを『エルネスト』では名前なら聞き覚えのあるがピンとこないキューバ(ラテン・アメリカ)現代史とチェ・ゲバラの思想を日本のある場所と主役を演じる俳優を絡めて使って描いている。

 


【新しい人間】チェ・ゲバラ 名言集【思想編】

 

それで、この映画で描かれる大国に翻弄された小国とそこに生きていた青年のドラマに感情移入の幅が出来上がった。

 

不勉強ながらフレディ前村の事はこの映画ではじめて知ったし原作は読んだことはない自分がここではそれをネタバレギリギリで感想を書いてみたいと思います。

 

 

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『ドリーム』において自分のような凡人はどう観るか問題について。そしてちょっとだけ愚痴

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][誤字修正有]

 


映画『ドリーム』予告A

www.foxmovies-jp.com

 

 

とても良かった!ドリーム』の感想がコレ。アフリカ系アメリカ人女性の地位向上をテーマに描かれた内容も教条に陥らずユーモラス --しかし批判は辛辣-- で軽やかだ。明快な科学賛歌がアメリカならではのところもある。

 

それに宇宙開発史を裏から見る楽しみもある。『イミテーション・ゲーム』に連なる数学映画の側面もある、だってFORTRAN言語やオイラー法が出てくるんだから。とにかく感情移入の幅が広い。エンタメとしても理想的だ。

 

そして、この映画、原作を読んでいるとかなり脚色がされていて史実よりかといえば映画『ライトスタッフ』の裏話的な側面でのマーキュリー計画が強調されているのも個人的には嬉しい。

 

簡単にいうと、みんな観なさい!だ。

 

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『ドリーム』IBM予告より

それを支えるのは宗教や慣習とは別の価値観である科学(技術)なのだが、今回はそれについて自分がこの映画で感じたことを書いてみます。

 

 

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ここから先はネタバレになります。観ていない方にはおススメできません。

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『エイリアン コヴェナント』感想:そして、どうして私は目が点になったのか?

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略][誤字修正有]

 


映画『エイリアン:コヴェナント』予告D

www.foxmovies-jp.com

 

目が点!エイリアン  コヴェナント』の感想はこれにつきる。確かに見所らしいのはあるのだが、それが一部のファンにしか通用しなので、いわゆるブロックバスターを楽しみたい人には不向きな映画だ。これアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』と同じタイプだ。大衆向けというよりはインテリ向けだ。せめて『LOGAN ローガン』みたいにきれいにエンタメに落としこんでいればこんな感想も沸かないのだけれども……

 

これから、この映画について批判の方向で書くが、その際にヒントになったのが脚本で参加しているジョン・ローガンが演劇として書いた台本がレオポルドとローブの事件を題材にしていること。少なくともあのキスの意味がこれで分かる。

 

それと次の記事。人によってはグロテスクしか感じられないので。注意が必要。

stevenspielberg.hatenablog.com

 

この記事の内容と同監督作品『ハンニバル』を思い出してもらえば、この監督の「美」がどこを向いているのかが簡単に想像できる。なにしろ、このシリーズの最大の功績者であるH・R・ギーガーのデザインをスタジオに強く推したのはこの監督だから。

 

ここではそれを踏まえて自分がこの映画に感じた不満を書いてみたいと思います。

 

 

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ここから先はネタバレになります。観ていない方にはおススメできません。

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