ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクといったマーベルコミックのヒーローが同一の世界で活躍するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のひとつ『アベンジャーズ』の最終作。前作『インフィニティ・ウォー』で強敵サノスに敗北して全宇宙の人口を半分にされてから5年が過ぎた。アベンジャーズのメンバーはそのことを引きづっていまだに立ち直れてはいない。そんなある日に消滅したと考えられていたアントマンことスコット・ラングがキャップ達の前に現れ、この状況を変えることができるかもしれない驚くべきアイディアを提案する。かくしてアベンジャーズの命がけの反撃がはじまった。
今回はハッキリとネタバレがありますので、映画を観ていない方はご遠慮下さい。
『用心棒』は黒澤明の代表作の一つであり、日本どころか世界でも名を知られたアクションの傑作であり名作だ。もちろん自分も大好きな作品のひとつだ。
しかし、黒澤監督の演出が巧いので気が付かないが、これには時代劇にしては見逃せない大きな傷がある。自分はかつて、これを映画好きの何人かに語ったことがあるが、そのたびに変な顔か嫌な顔をされた思い出がある。-- しかし、ここではソレは語らない -- だから、論理的整合性と感情は必ずしも一致しないことも知っている。
『エンドゲーム』はマーベルファンに熱狂で迎えられているし、それどころか映画ファンにも高評価されている。その雰囲気で書くのも気が引けるが、ズバリ……
この映画は失敗作だ。
これは、自分がいつも使う、いわゆるツッコミがあり過ぎるとか、フィクションの批判でよくある倫理的な問題とはまったく別の次元の話だし、タイムパラドックス云々などのSF設定はまったく関係ない。純粋に脚本の問題だ。
だから、原作とかユニバースとかも考慮しないコノ映画のみ出来上がりの話だ。
実は、自分は最後に今までそれなりに楽しんでいた熱かったり、泣けたりしていた感情もあったが、ソレを確信したとたん急速に冷めていったのは確かだ。代わりに沸き上がった感情は「酷い!」の一言につきる。
それでは、どこが酷いのか。それは2ステップで説明できるシンプルさだ。それは……
現代でサノスがアベンジャーズに倒される。
↓ ↓ ↓
キャップがインフニティストーンを元に戻すために過去に行く。
気が付いただろうか?これを少し言い換えるとこうなる。
現代でサノスが倒された。つまり過去のサノスはまだ生きているし死んではいない。
↓ ↓ ↓
キャップがインフニティストーンを元に戻すために過去に行く。
少し付け加えると、サノスが生きている時間軸でインフニティストーンを返しに行ったら信念の男サノスが奪うのは判り切っている。これはエンシェント・ワンが言っていた「世界線の分裂」云々とは別の話であり、そしてその時間軸のサノスがインフニティストーンを奪わないと確信できる描写がひとつもなかったからだ。
つまり、元の木阿弥であり、振出しに戻るであり、意味ないじゃん!だ。
アベンジャーズ決死の戦いがすべて無意味だった。と云っているのと同じだ!
もちろん、ソーの決断もトニーの死もキャップのやり直しも、すべて無意味だった。と云っているのと同じだ。これを「酷い!」と言わずになんというべきなのか ‼
ただ、ここで救いになっているのは監督を担当したルッソ兄弟の技量だろう。並の監督なら、絶対に気づかれて批判されるべきところを演出で巧くかわし逆に感動のフィナーレにもって行けていて、多くの人が涙しているのがその手腕を証明する事にもなっているのだから、大したものだ。
だから、……もしかしたら、感情が変わる可能性もあるかもしれないが……。
でも今の自分はノレなかったし、逆に白けた。これはワーストだ。
Marvel Studios' Avengers: Endgame - Official Trailer
Avengers: Endgame (Original Soundtrack)
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