ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
表より裏がスリリング。
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして、今回は
そして、キーワードは。
今回もネタバレはなし。でも愚痴だけ。
どうしたんだ?デ・パルマ!
言いたい事はこれだけだ。もうこれで終わりたいが、さすがにそうもいかないので後は惰性で書き連ねてゆく。
でも、まあ。アクションスリラーである今作はすでに失敗の報は耳にしていたので、そんなに期待していた訳でもなかった。だけどデ・パルマなら内容がヘロヘロのシナシナでも、ちょっとした映像のお遊びくらいは愉しめるだろうと思っていた。あの『ミッション・トゥ・マーズ』くらいまではと……
の・だ・け・れ・ど・も、それが今回まったく冴えない。
どうしたんだ!デ・パルマ?
しかし、さすがに腐ってもヒッチコック番長(謎)なので、最初の屋根の上のアクションシーンは1952年『泥棒成金』を使ったりもしている。(画像はimdb)
そして、デ・パルマお得意の、ファンの間ではデ・パーマ・カットと呼ばれている手法のうちスプリット(分割)スクリーンや、スローモーションもやってはいるのだけれども、今作ではまったく冴えない。まるで手癖だけで撮った感がハンパない。
いや、本当にどうしたのデ・パルマ?
あんまりにも妙なのでIMDBのトリビアを開いてみたら納得した。今作は撮影中に予算がつきかけそうな状況に陥ったが何とかそうにはならずに終わった。って、本編よりも舞台裏の方がスリリングだな。
でもそれで今作の冴えない理由は分かった。単純に前作からブランクがあり過ぎたための腕のなまりではなく、それプラス、セッティングに時間が掛けられなかったゆえのこの冴えのなさなのだと。技巧が売りの監督にそれを段取りする過程が省かれたら当然にそうなるに決まっている。
ただ、それとは別に前作『パッション』まで獏として感じていた違和感を今作で確認した。撮影の拠点をアメリカからヨーロッパに移したせいなのか、かつての作品群と比べてやっぱりルックが弱い。もっと突っ込めば今の画をデ・パルマは自分のモノとして使いこなしてしはいない。
具体的にはプロダクションデザイン、つまり美術が弱い。
アメリカで撮影していた頃は、どんなに内容がないよーの作品でも画のルックだけはしっかりしていたのに、ヨーロッパに移ってからはその魅了も無くなりつつある。これは問題だ。
素人考えだとそれは、カメラマンの頑固な美意識なのか。それとも美術に大きく予算を回せない状況に現在のデ・パルマは置かれていると見るしかない。つまり作品を撮るための自由が制限されている。そこで……
……に戻る訳だ。もっとも、あえてそれをやっているのだとしたらもう何もいうまい。次はガンバレ!
妙な締めで終了。
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