ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
ウィルメイドだな。
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
今回は ……
そして、キーワードは。
ウ~ン、懷い!
最初に告白すればエミリオ・エステベス監督作品を観るのは今作がはじめてだ。その点で今回は色々とつじつまが合わないところが後々出てくるだろうが、それはそれで無視する。ここはオレのテリトリーだから。
さて、スター俳優が監督に進出して落ち着くスタイルはアクションかコメディか社会派の三つで、そんな感じだろう。-- ちなみにそれとは別に俳優で映画監督といえば『こわれゆく女』や、『グロリア』のジョン・カサヴェテスもいるが、彼は孤高というべき存在なので別格だ。
そして社会派は、先達としてなら、やはりロバート・レッドフードだ。彼の作品は批評家から高評価を受けていているので、俳優のジョージ・クルーニーなどがその後釜を狙っているフシがあるし、監督はしないものマット・デイモンも社会的なメッセージの脚本を書いていたりする。
さて、話の枕は終わって、本題に入ると、正直に言って今作は観終わって微妙な違和感が残った。物語もメッセージも現代的なのだが、「どこか懐かしい」そんな感覚。
それは、壁ドンからセックスに入る。80年代から90年代でのお決まりシーンを監督で主役でもありそれをその頃を代表する映画スターだったエステベスが演じているので、その感が強くなる。
そして、メインキャストに入っているアレック・ボールドウィンとクリスチャン・スレイターがそれを強調する。
そして、そして、撮り方もビリー・ワイルダーをお手本にしたかのようなところがあってメッセージ性があるにもかかわらず、小粋な伏線と役者通しの掛け合いのみでドラマを転がすので、人工的で古風なウェルメイド臭をそこはかとなく感じるのだ。だから、クライマックスでの感情は、「感動!」とかでもなく、「痛烈!」でもなく……
「( ̄ー ̄)ニヤリ」となる。
そして、そういった技巧は見えるのだけれども、それが独自な味わいまでには至っていないのは確かだ。
だから、現代の社会状況をテーマ&モチーフにしているのに「懐かし」。
もちろん、退屈せずに最後まで観れるし、出来上がりも悪くはないのだけれども……そんな淡泊な感想なのでした。
劇場で鑑賞。
THE PUBLIC Official Trailer | In Theaters Everywhere April 5