ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
微妙な面白さかな?
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして今回のキーワードは。
隠れた傑作?
勝手にショーン・コネリーシリーズ第三弾は本作だ。ちなみにジャンルはアクションスリラー。
物語はノルウェーでテロリストがイギリス大使館を占拠。大使と使用人二人を人質にしてロンドンの刑務所にいる仲間の引き渡しを要求。それを対処するのはショーン・コネリー演じるオスロ保安庁の保安部長ニルス・タールビク。彼はイギリス大使館付武官とと連携して事態の対処にあたるが、イギリス側は要求を受け入れ釈放されたテロリストたちを乗せた飛行機はロンドンに向けてアムステルダムに向け飛び立ったが、…………という状況になり、ノルウェー政府はその要求に応じるが、タールビクは何とかして犯人を捕らえようとするのだが、……といった展開になっている。(画像はIMDb)
実は自分は本作を観るのは今回がはじめてだ。前々から評価が上々なのは知ってはいたし、傑作の声も聞いてはいたが、その正反対の声も知っていた。そして自分は本作にはそれまでそんなに興味もわかなかった。それをこの機会で観てみたのだが、なるほどそうゆう評価に分かれるだろうなとは感じた。段取り気持ち良さと89分という時間の短さでスラスラと抵抗なく観れるし、ヌルいなと思っていたら、そのヌルさがまんまとクライマックスへの布石になっているので、評価を上下でいえば、上の方になる。
しかし、やっかいなのは褒めることでいわゆる期待を高めてしまうと、「思っていたほどでも無い」という感情にもなって、その取り扱いに面倒になるところがある。
しかも、名のある人はコネリー以外だと後はイングマール・ベルイマンと組んでいた撮影監督スヴェン・ニクヴィストと1970年代から90年代のハリウッド映画音楽の代表的人物だったジェリー・ゴールドスミスくらいしかいない。
ちなみにハイジャック犯で物凄くどこかで見た覚えがあったので調べてみたら、やはり同じ感じにあった方もいたらしく直ぐに分かった。(画像はIMDb)
ジョン・ウイックのウィンストンことイアン・マクシェーンだった!
いやー若い!
とまあ、本題に戻って本作を撮った監督キャスパー・リードは映画ファンなら誰でも知っている名優を輩出したオールドヴィックシアタースクール入学から舞台でのキャリアをはじめた者で、その関係の仕事が多く、やはりいわゆる芸術家肌であり、映画は5作品と寡作。しかもどうやらアクションスリラーはこの一作だけらしい。だから、俳優どおしの絡み、いわゆる芝居については地に足がついた巧さはあるが、地から足が浮いたサスペンスは巧くいっていない。
だから本作について超簡単にそのイメージをいえば英国俳優ケネス・ブラマーが監督として『エージェント・ライアン』(2014)を撮った感じ、といったところで、この微妙さを分かってもらうしかない。つまんなくはないが、それほど面白い訳ではない。というところか。
とはいえ、スヴェン・ニクヴィストの撮影はしっかり基本を押さえているし、サスペンスを高めるところではジェリー・ゴールドスミスの曲がそれをフォローしているし、繰り返しなるが89分の短さもあって『エージェント・ライアン』よりはいくらかは面白い。
この微妙さを分かってもらえるだろうか。
DVDで鑑賞。
The Terrorists - Excerpt (1974)