ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今日のポエム
みんな、オレにバズれ!
映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!
そして、キーワードは。
あ~3桁欲しい!
今回はネタバレスレスレの解説愚痴モード
『スプリー』みた〜よ!だから感想を書くよ。
でも、結論から言ってしまうと、本作はそんなにノレなかったんだ。最初はスプラッター映画かな?と密かドッキンドッキンしていたんだけども、対象年齢が全年齢のG、G、G!だったので、ガックシしたのもあるけど、本質はそんなところじゃない。実は、本作は真面目な社会派スリラーだったから。でも、それは本質なものじゃない。
でも、その前に物語を語ると、カートという若者がSNSで有名になろうと動画配信をはじめるが、PVは2桁代どまり、ベビーシッターをしていた子供のほうがバズるという状況で「人を◯◯ば、PVが上がるのでは?」と考えて、カーシェアアプリサービスで拾った客を相手にそれを実行してゆくのだが、思っていた以上に上がらないのに苛立ち、過激になり最後には……。という流れになっている。
その気持ちよく、分かるぞ!(同じくPV2桁代)
と、最初は感情移入していたら、進むにつれて、どうやらパズるために主人公がドンドン狂喜に埋没してゆくドラマかと思いきや、どうやら、パズにこだわるのは、彼自身がプアホワイト、白人貧困層に属する人物らしいのが見えてくる。そして彼にとってパズとは、この最低な状況から抜け出すための手段なのだという状況が見えてくる。ヒント:コイン投入&実家が競売。
ようするに、このどん底から抜け出すためにパズがどうしても必要なわけだ、日本ならユーチューバーみたいなものか。だからスケートでどん底から抜け出そうと足掻く女性を描いた『アイ、トーニャ 史上最大のスギャンダル』(2018)とドラマは同じ。
なので、カートが本作で乗せる客は、彼よりもステータスが高い人々になる。宗教右派、マチズモ、裕福層など……。
そしてラスボスはブラックアメリカンのコメディアンに完敗する。つまり現在の米白人層の状況を極端に戯画化してるってわけ。
だから、才能が無かった男がジタバタするという悲劇&喜劇な白人貧困層の悲哀が落し所になっているのだ。(念押ししておく、本作はスリラー)
でも、スリラーの体をなしていないのよ。
何故なら、構成がモキュメンタリーなので。
モキュメンタリーとは、ウソを事実ぽく伝える手法で、チープかつセンセーショナル&スキャンダラスな話題を煽って、それで観る者の気を引くという、低予算のアイディアで勝負の作品に多いし、それでこそ上手くゆくやり方 -- 似たような成功例として『カメラを止めるな!』(2017)もある -- なのだけども、本作は大予算ではないにしろ、ソコソコ予算がありそうなのにそれをやっているので逆にドラマとしてはピンボケになっている。カートの動画配信と同様にスベっている。アイディア倒れって感じ。
そもそも、ワンカメ一人称視点なら、まだ分かるが、本作はマルチカメラで複数の視点で進行するので、それならもう普通に撮っちまえばいいのに。とか考えてしまうからだ。観ている最中に。
まぁ、それでアイロニー度合いを濃くしようとしている意図は感じるけども。
しかし、最近はこんな作りが主流で、受けも高くなる傾向があるけども、これはあくまでも奇手というべきで、この手の作品群は映画の基本であるサスペンス演出が無いのばっかし、だからインテリやエスタブリッシュメントやオタクだけが楽しめるだけで、それはまるで日本のファン向けアニメ作品と対して変わらない気がするけど、それはどうなの?もっと普通に撮ろうよ!
やっぱり基本は大事だよ!とか最終的には思ってしまったのでした。
決してスプラッターを期待したのに外したからじゃ無いぞ。
あーPV通常3桁欲しい!
劇場で鑑賞。