えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

クワイエット・プレイス 破られた沈黙

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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www.imdb.com

 

エミリー・ブラント主演で、音に反応して人類を襲う“何か”によって文明社会が荒廃した世界を舞台に、過酷なサバイバルを繰り広げる一家の姿を描き、全米でスマッシュヒットを記録したサスペンスホラー「クワイエット・プレイス」の続編。生まれたばかりの赤ん坊と耳の不自由な娘のリーガン、息子のマーカスを連れ、燃えてしまった家に代わる新たな避難場所を探して旅に出たエヴリン。一同は、新たな謎と脅威にあふれた外の世界で、いつ泣き出すかわからない赤ん坊を抱えてさまようが……。

映画.comより引用

 

 

映画とはポエムです!ポエムとは映画でもあります。それでは大いにポエムちゃいましょう!

 

今日のポエム

ロスカットと絆

 

 

今回はネタバレスレスレの誉めモード。

 

今年のベスト!

 

2018年に公開された前作の続編にあたる本作は衝撃&新鮮さは若干は減じてはいるが、それでもかなり面白い。

 

そして、やっぱり前作がヒットしたおかげで、予算が増えたのか本作も派手目の場面が多く、人も多い。

 

また、本作ではクライマックスの演出にちょっとした変わった趣向をやっていて、それが新鮮に感じたところもある。もちろんソレは自分が知らないだけで他にもやっているのかもしれないが、少なくとも自分は驚いたのは確かだ。そして、チョット……

 

それは後述するとして、前作も本作もホラーというよりSFサスペンスでありスリラーが自分の見立てであり。SFと言っても知的好奇心を満たす難しいモノではなくて、どちらかというと古き良き時代のSFの匂いがする作品なのも変わっていない。だって怪物が襲う条件は音をたてた者に対してなのだし、その音でも何でもいいという訳ではなくて、水音のなどの低周波振動には反応はしないし、音声の波が減収しないで逆に増幅する共振現象に対してはアボーンアボーンする設定も変わらない。つまり続編でありがちな追加設定などがないのだ。

 

そう、前作同様に純粋にスリラーとしての真っ向勝負な作品でもあるのだ!

 

ただ、やはりドラマは変えてきた。前作が、家族を守ろうとする親の闘いを描いたのに対して本作では守られてきた子らの成長を描いてくる。

 

そう、今回のドラマの主人公はエミリー・ブラント演じるエヴリンでは無くてミリセント・シモンズ&ノア・ジュープ演じるリーガン&マーカスなのだ。

 

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(C)2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

そして、本作が粋なのは前作同様にそれをウェットに流さずサスペンスだけでやっているところだ。

 

この手のドラマにありがちな演出、感動的な〇〇とかが一切にない。

 

邦画ならゼッテーに泣かせる曲か歌を入れてくるのにな!(ただの偏見です)

 

もう、クールすよCOOOL!(流行り言葉を使ってみました)

 

その代わりに描かれるのは、クロスカッティングという手法だ、この手法は二つ以上の同時刻で異なる場面を並列的に繋げる編集技法であり、サスペンス演出でよく使われるが、これは観る者へ暗い感情移入、つまり悲劇を描写するのによく使われているが、本作では、売りである音を挟み込むことでリーガン&マーカスの明るい成長へのドラマに落とし込んでいるのだ。こんなの珍しい。

 

そして、語るべきドラマが終わったらスパっと終わる潔さ。

 

まさに痛快!

 

でも、本音を漏らせば上記の事は観終わって三日後に気がついた。そしてその時はちょっとだけしんみりした。これが何であれ根幹と貫かれているのは親子のドラマであり、もっと突っ込めば、悲惨な状況にも関わらず、親が自分の生き様をちゃんとしていれば言葉にしなくても、それは子にもキチンと伝わるという承継のドラマでもあるからだ。多分、脚本も書いたジョン・クラシンスキー監督の「願い」でもあるのだろう。ダメ親だった自分には、そこに妙な感情が沸き立ったのも確かなのだということも書き添えておきたい。

 

劇場で鑑賞。

 

 

  

 

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