えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

パンダコパンダ & パンダコパンダ雨ふりサーカスの巻

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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両親のいない小学生の少女ミミ子は、同居している祖母を長崎での法事に送り出し、しばらく一人暮らしとなる。しかし家へ帰ってみると、そこには人語を解する子供のパンダ(パン)がいた。さらにその父親のパンダ(パパンダ)も現れる。このパンダ親子は、ミミ子の自宅の傍の竹薮に誘われて来たという。ミミ子はパパンダに「パパになること」を求め、一方パンに対しては自分が「ママになる」と決めて共同生活を始める。ミミ子はパパンダに対して、「パパは帽子を被り、たばこを吸って新聞を読み、会社へ行くものだ」と諭し、パパンダはそれを素直に受け入れるが、行く会社がなくて戸惑う。それを見たミミ子が「今日はお休みなのね」と言うとパパンダは 「会社はずっとお休みです」と宣言する。パパンダはミミ子、パンと遊ぶこととなる。

Wikipediaから引用

 

今回もネタバレなしの解説モード。 

 

子供に見せたい映画、第四弾は本作二つまとめて一緒に

 

対象年齢は5歳から11歳。

 

まぁアニメだし、34分+38分の二本だし、そして高畑勲&宮崎駿のコンビだし、作画監督大塚康生小田部羊一も入っているし、原画や動画に後々のアニメを引っ張ってゆく人々の名がありなのでレベルは高い。

 

まさに子供にはうってつけなのは誰も異論は…な・い・は・ず!

 

もうモロにそうなので作品のトーンは最初から最後まで明朗快活で楽しい。主人公のミミ子は元気いっぱいだし。

 

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パンダコパンダ

見えてるぞ。

 

パパンダは「竹藪がいい」としか感嘆符が無いし、パンちゃんはカワイイ。そんな者達がひとつの家族になるという、とーってもシュールな世界。

 

でも、公開当時の社会を頭に入れておくと原案と脚本をした宮崎駿と演出の高畑勲のコンビによる当時の時代による流れに異議を唱える反骨精神が見えてくる。そしてそれは主人公であるミミ子のキャラ造形にすべてかかっている。

 

高畑勲は前から構想をしていたらしいが、もちろん本作は公開年から考えても1972年9月に締結された日中国交正常化の中国側の贈呈として日本にやって来た二頭のジャイアントパンダであるカンカン、リンリンから火が付いたパンダブームに乗った&通った企画なのは確か。

 

とりあえず、本作とあの『となりのトトロ』の共通する所については今回は語らない。

 

まずはミミ子のパンツまで見せての逆立ちは、本作の公開当時は落ち着いてはいたがマンガ家永井豪の大ヒット作『ハレンチ学園』で1968年から1972年頃で顕わになり社会問題化していた男子が女子のスカートをめくる、いわゆる「スカートめくり」への痛烈な批判だ。

 

つまりスカートをめくって喜ぶ男子に向かって「アッカンベー」と舌を出して抗議している。そして女子にはそんな男子には「負けるな、やり返せ!」とエールを送っている。これは、ここからはじまった高畑&宮崎が描いてきたヒロイン等と重なるからだ。

 

そしてミミ子の両親がすでに亡くなっていて祖母とふたり暮らしだった設定 -- 作中では祖母は法事で不在 -- は、これも高度経済成長から社会問題化された「鍵っ子」を意識しているのは一目瞭然。1960年代頃から夫婦共働きの家庭が増えていったのを背景にしている。

 

だが、さらに強調するところはパンダが「パパです」と言っちゃたりする事から、特に仕事に没頭して家庭と子供に関わらなかった男親に対する高畑&宮崎のこれまた痛烈な「アッカンベー」なのはすぐに分かる。

 

さて、本来結び付かない赤の他人ならぬ赤のパンダと家族になるミミ子の構図はどこかで見たことはないか?

 

……

………

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(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

どう見てもこれ『万引き家族』(2018) だろうが。

 

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(C)2015 吉田秋生小学館フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

やっぱり『海街diary』(2015) だろうがって!

 

是枝裕和はぜってー観てるな!

 

年齢的にもちょーアヤシイ

 

と、まあこんな感じ。(しれっと)

 

これが本作『パンダコパンダ』(1972) だ。でも、ここはまだ宮崎よりも高畑色が濃いかも。つまり高畑のターン。

 

そして一年後の続編『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』(1973) になると宮崎のターンでスリルとスペクタクル満載の楽しいノンストップムービーになっている。

 

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パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻

観た者なら誰もが連想するとおり、水の描き方が後の『ルパン三世 カリオストロの城』(1979) や『崖の上のポニョ』(2008) などのイメージの前触れというべきモノが散見している。

 

なので、やはり、だから、こんな出来上がりになっているのは、当時の子供向けアニメは劇画ぽいグロが強調された激しい作品が主流だったのに不満をもっていた高畑&宮崎など制作スタッフの若さからくる反骨心から生まれたモノだと思うしかないのだ。

 

見た目によらずナイフみたいに尖った作品だ。

 

とまぁ、子供向けなのだが、大人にはシュンとする話題になるのでした。

 

今回はこんな感じで終了。

 

DVDで鑑賞。

 

 

  

  

  

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