えいざつき ~映画ポエマーの戯言~

映画批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

THE BATMAN-ザ・バットマン-

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

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www.imdb.com

 

両親を殺害されたブルース・ウェインロバート・パティンソン)は探偵となり、夜は黒いマスク姿でゴッサム・シティの犯罪者を懲らしめていた。しかし、権力者を標的にした連続殺人事件の犯人として名乗り出たリドラーが、警察やブルースを挑発。そして、政府の陰謀やブルースに関する過去の悪事などが暴かれていく。

シネマトゥデイより引用

 

タバレスレスレの誉め解説モード

 

注意:今回は核心に迫るネタバレは避けていますが、作品を純粋に楽しみたい方には読まないことをお勧めします。

 

今年ベスト!

 

……かな?

 

かな?の部分は後回しにして、本作が2時間55分という長尺にも関わらず最後まで観ることができたのは確か。

 

ドライブ・マイ・カーは寝落ちしたけど。(唐突な告白)

 

自分は2時間40分超えの作品を観るときは「ここで一旦切って休憩に入れるやろ!」とツッコむ事があるけども、本作に限ってはそんなところは無かった。

 

そんでもって、本作はアメコミヒーローアクションにノワールスリラーを組み入れた仕上がりになっている。

 

早い話が『L.A.コンフィデンシャル』(1997) の原作者ジェームズ・エルロイの世界。

 

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L.A.コンフィデンシャル (画像はIMDb)

ここにバットマンをぶっこんで来た。というべきだろう。

 

だから、ドラマの中心にいるのはバットマンと敵役リドラーゴッサムシティの汚れた裏側になる。

 

例えばバットマンとジョーカーがコインの裏表としたら今回のリドラーバットマンと合わせ鏡的なものになっている。

 

だって、本作でのリドラーバットマン登場の仕方が同じだから。

 

そして、同じ殴りの動きで、この二人が怒りに我を忘れているキャラだということを示しているから。

 

だから、そこにゴッサムの闇、富める者はますます富んでゆき、貧する者は上がることは不可能だという、貧富の格差を暴いてからのクライマックスを抜けて描かれるメッセージは「憎悪から起こる分断をどう乗り越えられるのか?」に集約されてゆく。

 

まぁ、ぶっちゃけココでのバットマンバットマン見習いみたいなものだし、リドラーリドラーその者じゃない。

 

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THE BATMAN-ザ・バットマン- (画像は予告動画)

それが、バットマンリドラーになってゆくのが本作。

 

ところで、本作のリドラーバットマンことブルース・ウェインにはあきらかなモデルがある。

 

まずは、リドラー。これは映画『ゾディアック』(2007) にもなった、1968年から1974年にかけて、カリフォルニア州サンフランシスコ市内で若いカップルを中心に少なくとも5名が殺害された「ゾディアック事件」の犯人をモデルにしていることは間違いはないが、クライマックスであるひねりを加えたことで別の要素も足されているのが分かる。

 

それは「Qアノン」。アメリカで謎の結社がこの世界を牛耳っていると考えて、それに対抗する必要があると考えている人々で。その彼らが起こしたのが、2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件なのは誰もが記憶に新しいところだ。

 

他からは考えが理解しにくいという意味で、カルト宗教の要素も持ってはいるが、それを導くリーダーは存在しないのでそのものではない。しかしながら代わりにネットというプラットフォームを持っているためにそれと同じ機能を果たしている。

 

だから、本作のクライマックスには、それを連想するのは自然だろう。

 

かたや、ブルース・ウェインのモデルはアメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディ。もう少し具体的言えば、ケネディ家になる。

 

今でこそ、アメリカリベラルのシンボルとなったケネディ家だが、その過去は醜聞の歴史でもある。ジョンの妹は知的障害の持ち主だったらしく大脳の神経回路を切り離すロボトミー手術を受けさせているし、ジョンの父であるジョセフ・P・ケネディ世界恐慌となった1929年のニューヨーク株価大暴落の引き鉄を起こした(つまり貧民層を多大に出した)と言われている人物であり、マフィアとの関係を持っていた人物でもある。

 

その息子である、大統領となったジョンと弟であり司法長官だったロバートがマフィア封じ込めを行ったのはアメリカ現代史をかじったのなら誰でも知っているところだ。

 

さて、ジョセフと繋がっていたマフィアの一人であるサム・ジアンカーナの写真を貼って置く。

 

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サム・ジアンカーナ(画像はWikipedia)

映画を観た人ならピンと来たはずだ。

 

そう、本作でのゴッサムの闇とはまさにアメリカの闇そのもの。

 

そりゃスコセッシが褒めるわけだよ。

 

そうした、やりきれない状況の中、それに対抗する道筋を照らしたのがジョン・F・ケネディだったのであり、リベラリのアイコンとなった訳だ。

 

だから、絶望に対抗するには暴力ではなく、希望なのだ。

 

そうゆう意味では、本作はヒーロー映画のフリをした濃厚なノワール劇として撮られているのが分かる。観終わったときにグッタリするのは、長いのではなく3時間弱にかけてノワールに魅せられた疲れなのだ。

 

さて、前述した「かな?」部分に入る。

 

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・・・・・・

 

メカがダサい。

 

ソレか!

 

そうです!(ひとりノリツッコミ)

 

メカガジェットの魅力が弱い、弱すぎる。

 

中身がヘナヘナでもメカが良ければ大目にみる自分だが、今回は逆。

 

まぁ、ドラマの展開上仕方がないのかもしれないが、何とかならなかったのかね。

 

劇場で鑑賞。

 

 

 

 

 

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