えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

夏だ!海だ! 潜水艦映画ベスト5!!

お題「ゆっくり見たい映画」

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

 

 

潜水艦映画に駄作なし!

 

ここしばらく暑すぎて何も手に付かない。

 

そして、何も考えたくないし、

 

それなら涼しい映画だ。

 

と言うことで、今回は特別企画として潜水艦を題材にした作品を選んでみた。ただし、非英語圏の作品だけだ。ハリウッド作品は紹介しない。アチラは流石に秀作・傑作ぞろいですぐに埋まってしまうところがあるからだ。だから『眼下の敵』『クリムゾン・タイド』も『イン・ザ・ネイビー』も『レッド・オクトーバーを追え』などは今回はキャンセルだ。

 

そうしたら、面白いけども曲者揃いのチョイスになったけどね。

 

 

U・ボート:ドイツ (西ドイツ)

言わずと知れた名作。第二次世界大戦、大西洋を席巻したドイツの潜水艦Uボート。その搭乗員たちの極限状態をリアルに描いた物語とドラマ。これで監督のウォルフガンク・ペーターゼンと主演のユルゲン・プロポノフは名を知られて以後はハリウッドで活躍することになる。ココでのポイントは狭い艦内をセッティングして観客に閉塞感を感じさせる事で一体を演出したのが見事に決まってラストシーンの衝撃を大きく印象づける作りになった。ちなみにレンタル&配信で知られているのはディレクターズカット版で、これは乗組員等に焦点を充てていて監督の意図は解るが個人的には劇場版が好み。

 

 

インパクト・クラッシュ:インド

第三次印パ戦争で実際に起きた戦いの映画化でインド初の本格的な潜水艦映画。『バーフバリ 英雄誕生&王の凱旋』で敵役を演じたラーナー・ダッグバーティが主演。ブログ購読している青空ぷらすさんのブログで知って鑑賞。確かに拾い物的な面白さ。クライマックスでの「上下」の駆け引きはシンプルなスリルがある。でも、好戦的な艦長と少佐の対立から起こるサスペンスや後半の展開がやや強引かな。あと、散々ツッコまれだろうが、潜水艦だがインド映画なので踊りはないけど歌うシーンはちゃんとあるぞ。

 

 

〇 ウルブス・コール:フランス

フランスの攻撃型原子力潜水艦の優秀なソナー員である主人公が秘密任務の際に今までに聞いたことがない音紋を探知してしまい、それを動物と判断したが、それは正体不明の潜水艦だった…な物語で、オリジナルのミリタリースリラーとしては完成度が高い。だが、後半の展開とクライマックスからの締めのカタルシスが明るさよりも陰りを持って締めるのは、いかにもフランスなので、英米の雰囲気を求めるととまどうかも。アメリカや日本とは違うフランス(欧州)の安全保障が垣間見える作品でもある。監督のアントナン・ボードリーは元外交官の現コミック作家でこれが初監督なんだってさ。このあたりもフランスぽい。(意味不明な偏見)

 

 

ユリョン:韓国

韓国初の潜水艦映画がコレ。共同だが脚本にあのポン・ジュノが入っている。物語は、韓国がロシアからウォン借款の現物償還で貰い受けた核ミサイル搭載の原子力潜水艦を脅威に感じた米日が韓国側に廃棄の圧力をかけてそれに応じ密かにそれをしようとするが、一部の者が叛乱を起こして米日に隷属しているぬるま湯に浸かりきった祖国を目覚めさせるために沖縄の米軍基地に向けて核発射を目論む……といった様に自分等からすれば超過激な内容。背景には当時の大ヒットマンガ『沈黙の艦隊』があり -- そこから取ったというべきズバリなシーンもある -- それが描いた国家の主権のドラマを韓国側がやったらこうなってしまったな。であり、ドラマで。コレが後の韓国産ポリティカルスリラーの雛形となった。お国ならではなゴアシーンもあるので観るときにはそれなりの覚悟を。娯楽なんだけどね……。

 

 

〇 潜水艦イ‐57降伏せず:日本

トリややはり日本。そんでもってコノ作品。日本の潜水艦モノならNo.1なのは当然だが、世界の潜水艦映画ベストを組んでもベスト20には必ず入ってくるほどの作品でもある。が、やはりドラマは昏い。聡明な艦長、頑迷な専任参謀、気遣いができる軍医等が向かうのは秘密の講和工作なので、最後の締めは……になるのは当然なのだが。それとクライマックスの展開に違和感を感じる者がいるかもしれないが、「教養と理想が人格を作る」よりも「習慣と規律が人格を作る」の立場に立てばあの展開は納得はできる……かも。地味だが特撮を担当した円谷英二もベストの仕事をしていて、特にあるカットは特撮とドラマの情念が固く結びついて印象深くなっている。

 

 

今回はこんな感じで終了。

 

先頃お亡くなりになった、ウォルフガンク・ペーターゼン監督に追悼の意を捧げます。

 

 

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