ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
あまり前のめりに乗って語りたい作品がなかったので、例によって最近観た作品の簡単な感想を書きました。
❌月⭕日
劇場で『アキラとあきら』を鑑賞。
人気作家池井戸潤氏原作の映画化。そして彼の作品となると、どうしたってTBSの日曜劇場のアノ作品を思い出すのだが、実はあの作品の癖の高い演出と勧善懲悪な展開が超苦手で、著作はひとつも読んでいないし、自分のブログで書いたのは一回だけだの体たらく。それで今回も時間つぶし程度な気持ちだったのだが、これが意外にも良かった。ただ、激面白いのではなく、チョイ拾い物的な面白さというべきか。監督が青春&恋愛映画をテリトリーとしている三木孝浩なのだが、これで彼が実はジャンル映画の監督ではなく脚本がちゃんと読めて癖のないウェルメイドな作品をコンスタントに撮れる腕をもっているのが確信できた。同じに活躍している癖だらけで軽々と撮っている体の英勉監督と良い勝負かもしれない。
❌月⭕日
CATVで『激動の昭和史 沖縄決戦』を再鑑賞。
実は最近、劇場で沖縄戦を題材にした作品を観たのだが、これが自分にはしっくりしなかったので観直した。何度か観てはいるが、コノ作品ほど沖縄戦を俯瞰的に描いた作品はないだろうと思う。脚本の新藤兼人は戦争の流れをちゃんと抑えつつも、「どうして軍隊と民間が混成した状況に陥ったのか?」とか「劣勢に追い込まれた軍人等が民間人とかの軋轢」のポイントポイントをちゃんと押さえて、それが過不足なく描かれている。しかし、どうもそれが、書籍を早送りで読んでいる感覚になってしまい、何かが足りない感が、おそらく内容に予算が見合っていないのに、岡本喜八の演出センスと黒田義民の編集テクニックだけで持たせているからだろう。観直すたびにそう感じる。後どうでもいい話だが、タイトルバックが『ゴジラ対メカゴジラ』似ている気がするのはやっぱり、同じ編集が黒田で音楽が佐藤勝だから?
❌月⭕日
DVDで『性本能と原爆戦』を鑑賞。
俳優のレイ・ミランドが自ら撮った、SFサスペンス(?)キャンプ場に向かうはずだった家族が核戦争に遭遇してサバイバルする物語。でも、ドラマは核戦争で家族を守るために常識のタガが外れて徐々に狂ってゆく父親を描いている。多分、『サイン』と『ハプニング』のシャラマン監督はこれを絶対に観ているだろうし、おそらくは『ミスト』のダラボンも観ているはず。公開当時はそれなりに刺激があったのだろうだけども、アメリカがベトナム戦争に介入する前の作品なので価値観が古く、今となってはミランドの演技のみが見所にしか残っていない結果に……後、タイトルの性本能ってのはズバリ性暴力なのだが、当時の感覚でもこの邦題はおかしくないかい?単純に「原爆戦 恐怖の世界」でも良かった気がする。
今回はこんな感じで終了。