ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
今回はやる気がまったくナッシングなので最近流し観をした程度の映画について簡単に書いてみたいと思います。
〇戦略空軍命令
DVDで初鑑賞。
ジェームズ・スチュアート演じる元爆撃機乗りが予備役招集で空軍に復帰、戦略爆撃機B−36とB−47に乗る物語。監督がアンソニー・マンで共演がジェーン・アリソンなのでスチュアート主演の『グレン・ミラー物語』(1954)軍隊版の雰囲気は漂わせて、戦闘シーンなどはまったくないが、本質は冷戦時代に米の核抑止力を担い90年代に廃止となったSAC(戦略航空軍団)のPR映画なので台詞の端々に日本人には気分がささくれるところが多々あって、とても他にオススメなどできない。
できないが、B−36とB−47の空撮カットは不謹慎ながらも美しく映えるところから、コノ作品のもう一人の主役は当時の戦略爆撃機なのだとういうのが見えてくる。内部も詳細に見せてくれるので作品の出来以前の資料性が高い作品。
あと、スチュアートの主人公はB−36を事故で破壊してしまうのだが、その後に上位機B−47に搭乗する流れは日本のメカを扱ったマンガやアニメのアイデアのお手本になっているのかも。
〇頭上の脅威
BDで再鑑賞。
物語は米ソ上空で未確認飛行物体が飛び交い、世界中に緊張状態が走る。核戦争への対応で仏の空母クレマンソーの航空隊員に非常招集がかかる。空母要員等の様々な思惑が交錯する中に正体を現した未確認飛行物体は宇宙からやって来た空飛ぶ円盤だった、という展開。
はじめての時は「空飛ぶ円盤と戦闘機と空母との激しい戦闘が繰り広げられるのか」と期待したが、そうはならずにガッカリした思い出があるコノ作品、ひさしぶり見直すと、やはりなのか、やりたかったのは空母クレマンソーのアレヤコレヤを披露するこれまた資料性が高い空母が主軸の作品だった。ドラマというよりも、これもPRの側面が強いコンセプトありきの作品。
そしてまあ、予想はしていたが、観ているうちに既視感・デジャヴュ・何処かで観たぞ感がよぎったのもまた確か。
〇ファイナルカウントダウン
DVDで再鑑賞。
うむ、こうなるよな。-- ちなみに仏ウィキペディアの『頭上の脅威』には、コノ作品は『頭上の脅威』から影響を受けているだろうって解説されてたわ。
物語は太平洋で行われる軍事演習に参加するために航行中の米空母ニミッツが謎の嵐に巻き込まれて辿り着いた先は日本軍が真珠湾攻撃に入る太平洋戦争前夜。タイムスリップしたニミッツはそこで、この奇襲を阻止すべきかどうかの決断を迫られる。
これまた前述した『頭上の脅威』とコンセプトが同じ、ここでは空母ニミッツのアレヤコレヤを見せましょう的な出来上がりになっている。あくまでも真珠湾攻撃はそのための理由づけにしかなっていない。
いないが、『頭上の脅威』よりは派手目になっていて、太平洋戦争前夜に高機動戦闘機だったゼロ戦とニミッツ搭載のF-16とのドッグファイトがチョコットあったりもするし、それなりにSF的な味付けもある出来上がりになっている。
気が付いただろうが、今回はドラマやメッセージではなく、軍用機が作品の中心になっている作品群でした。