えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

最近観た:邦画二作品辛口簡易レヴュー

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

今回は最近観た邦画『リボルバー・リリー』と『スイート・マイホーム』二作品の簡単な感想を書きたいと思います。

 

ただし、批判的にです。

 

ちなみに、二作品とも内容の核心に迫るところについては避けていますが、純粋に楽しみたい方には読まない事をお薦めいたします。

 

リボルバー・リリー

ポスター画像

大正末期の1924年関東大震災からの復興で鉄筋コンクリートのモダンな建物が増え、活気にあふれた東京。16歳からスパイ任務に従事し、東アジアを中心に3年間で57人の殺害に関与した経歴を持つ元敏腕スパイ・小曽根百合は、いまは東京の花街の銘酒屋で女将をしていた。しかしある時、消えた陸軍資金の鍵を握る少年・慎太と出会ったことで、百合は慎太とともに陸軍の精鋭部隊から追われる身となる。

 

結論から言ってしまえば、綾瀬はるかを愛でる作品。

 

なにせ、監督が『リバース・エッジ』(2018)や『劇場』(2020)などを撮った熱いアクションよりも微低温リフレクションに長けた行定勲なので、ケレン味を期待すると見事に裏切られる。

 

加速しないジェットコースターに乗らされている気分。

 

まぁ、そんなアクションを抜いてしまえばいつもの行定作品なのは予測してはいたが、それでもジョン・カサベテスの『グロリア』みたいに化ける可能性もあったが、これは化けなかった。せめて、何か「エンタメを見た!」という感情になれるキメ手みたいなモノがあったら、ソコソコ話題になったかもしれないが、多分1年後には忘れてしまう作品だ。

 

あと、コノ作品では制作が東映のためなのか、現:富司純子、旧:藤純子の代表作だった緋牡丹博徒シリーズのイメージを濃厚に感じた。『緋牡丹シリーズ』はお約束として藤純子リボルバーを持って敵役の場所へ殴り込みをかけるのだけども、そこに付き添うのが、高倉健菅原文太鶴田浩二などの男性スターなのだが、コノ作品では、その枠に長谷川博己があてがわれているし、佐藤二朗演じる平岡はどう見てみも、シリーズのお約束キャラだった若山富三郎演じる熊坂虎吉を連想してしまう。そしてコレは藤純子を愛でるシリーズでもあるからだ。(ここで最初に戻る)

 

でも、だからどうした!何だよね。

 

とはいえ、退屈はしない。しないのだけども、「何とかならなかったのか」な気分にさせてしまうのもこれまた確か。

 

劇場で鑑賞。

 

 

〇スイート・マイホーム

ポスター画像

スポーツインストラクターの清沢賢二は、愛する妻と幼い娘のために念願の一軒家を購入する。地下の巨大な暖房設備により、家全体を温めるその家は、「まほうの家」の呼び名の通り、冬は寒冷な長野県では理想的な物件だった。マイホームでの幸せな生活をスタートさせた清沢一家だったが、その幸せはある不可解な出来事をきっかけに恐怖へと転じていく。

 

俳優であり、「齊藤工」名義で監督もする斎藤工が撮ったホラー寄りのスリラー。

 

とはいえ、アイデアそのものは昭和の時代から使い回されたネタ感が強いものなので、そこにキメ手として何が付けられるのかが大事なところなのだが、それが『クリーピー 偽りの隣人』(2016)の二番煎じなのはどうかと思います。

 

まぁ、そこはあえて目をつぶるとして、胸糞になるのはいい、良いのだけども、あの胸糞を入れたことで、窪田正孝窪塚洋介のW窪にめぐる秘密とドラマがどっかへ飛んでしまった。いや、あのラストにするなら、アノ秘密描く必要性は無いだろう。まぁ、アイツじゃなくてアイツなら、もうチョイ納得できたかもしれないが。

 

それに、このイビツな構造は脚本の段階で予測できたはずなのに、それをしなかったのは脚本が読めていないか作品のキモが分かっていないかのどっちだ。

 

それでも、優れたセンスを持っていたら。それをフォローできる何かを持ち合わせていたのならどうにかなったのかもしれないが、監督作二作目でそれを求めるのは、さすがに無茶振りが過ぎる。

 

これも周りは、もうチョイ何とかならなかったのか。

 

劇場で鑑賞。

 

今回はこんな感じで終了。

 

念の為に釘を刺しておくと、「原作どおり」みたいな擁護は無しの方向で、それを言ってしまうと原作を咀嚼できなかったよ。と告白しているのと同じなので。

 

引用は映画.comより

 

 

 

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