ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ストーリー
ごく普通の生活を送るカーミットは、フロリダの沼地でバンジョーを弾きながら『レインボー・コネクション』を歌っていた。その後、タレント・エージェントのバーニー(ドム・デルイーズ)からスカウトされる。自分なら幸せにできるだろうと考えたカーミットは、ハリウッドの旅に突き進む。カーミットはバーに行き、そこでコメディアンとして働くフォジーと出会い、カーミットはフォジーにハリウッドの旅へ招待する。スタッフ
監督: ジェームズ・フローリー
製作: ジム・ヘンソン
脚本: ジェリー・ジュール、ジャック・バーンズ
撮影: イシドア・マンコフスキー
美術: ジョエル・シラー
特殊効果: ロビー・ノット
編集: クリストファー・グリーンバリー
音楽: ポール・ウィリアムズ、ケニー・アスチャーWikipedeiaより引用
今回はネタバレ…しても誰も知らんだろ紹介モード。
ディズニープラスで、『マペットの夢みるハリウッド』こと、コノ作品があったのを知った。
いや、懐かしい。日本では劇場未公開で、LDことレーザーディスクとビデオテープが出ただけで、その後DVDも無いし、当然のごとく販売もレンタルも無しの状況なので、やっぱり観直すよな。
物語は沼に住んでいたカエルのカーミットが、ふとしたきっかけで、オーディションのためにハリウッドへと向かう途中で出会った仲間や人々との道中を描いたロードムービーで、そのモノ自体は他愛もない物語とドラマなのだが、それをやるのが人間ではなくマペットと呼ばれる人形になっている。
マペットとは、アメリカの人形師ジム・ヘンソンが考案したもので、手で動かすパペットと糸で動かすマリオットとの融合なのだが、糸は主に外からではなく内部に仕込まれてあり、早い話がヘンソンが作った造語だ。イメージとしては日本の人形浄瑠璃に近いが、人形浄瑠璃が黒子という人の形を観客に見せてしまうのに対してマペットは見せないという違いはある。
そのマペットキャラの第一号がコノ作品の主役であるカエルのカーミットなわけだ。
もっとも、自分等オッサン・オバサン族にはマペットとカエルのカーミットは、かつて世界を席巻して日本で放送された教育番組『セサミストリート』から知った者がほとんどだろう。教育なので英語を吹替えどころか字幕なしでやっていた革新的な番組で、民法でも、その影響を受けた番組が作られ放送されていたくらいなのだから。
だから、コノ作品も日本ではアレだが、海外ではちょっとした人気作でもある。
そのカエルのカーミットとマペット仲間が人気者になる前のエピソードを描いた、という体裁を整えているメタな構造になっている。
ぶっちゃけマペット達のファンムービー。
なので、この枠で語るに値する作品なのかと問われたら、無い!
無い、が。ここで使われた技術が、後に『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(1984)で登場した、ジェダイマスターヨーダに結実されている。
そして、伝説的作品の『ダーククリスタル』(1982)へとつながるのである。
ヨーダからダーククリスタルの流れは、それまでの人間や動物(伝説・神話を含む)をモチーフにしていたクリーチャーとは違う新鮮さとインパクトを与えて、世界中の人々の度肝を抜いて、ヘンソンの人形は当時一世風靡して彼が主体なった番組も作られた。
まぁ、CGの登場で今や忘れ去られているがな。
そうゆう意味でコレは、ホップステップジャンプのホップにあたる作品になる。
まぁでも、本質はファンムービーなので、技術・技工としての面白さは別として、内容というかコンセプトとしての見どころはマペット達と人間の役者との絡み合いがソコになるのだが、正直言ってオジサン・オバサン族にしか覚えがない者達ばかりで、現在の感覚では……多分面白みがない。
だってさ~、オーソン・ウェルズが出ても「おっ!」とか「おい、おい」とかで、若い者が突っ込める訳がないでしょうが。
メル・ブルックスは、相も変わらずキレッキレだが、今や「誰よそいつ?」だし。
あ、でも、若き日のスティーブ・マーティンの姿は「クスリ」と来るかも。
そんな感じなので、マペットのビジュアルを見て、カワイイカワ(・∀・)イイ!!と直感でビビっとこなければダメかも。
でもなぁ、自分はカーミットが歌う『レインボー・コネクション』が好きなんよ。
おそらく、この一曲で魂を持ってゆかれたのだと思う。そうしかない。
ちなみに、昔の吹き替え版では、ルパン三世こと山田康雄がこれを歌っているんだぜ。
今回は強引だったのは認める。
ではまた。
VODで鑑賞。