ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ストーリー
イラン国内で核開発施設の破壊工作に成功したCIA工作員トム・ハリスは、CIAの内部告発による機密情報漏洩で全世界にその正体が明らかとなってしまう。ミッションを即刻中止し、中東からの脱出を図るトムは、30時間後に離陸する英国SAS連隊の飛行機に搭乗するため、アフガニスタン南部のカンダハルにあるCIA基地を目指す。しかし、イランの精鋭集団・コッズ部隊、パキスタン軍統合情報局(ISI)、さらにタリバンの息がかかったゲリラ、金次第で敵にも味方にもなる武装集団など、トムをめぐる追跡劇は敵と味方が入り乱れる混沌としたものとなっていく。
スタッフ
監督:リック・ローマン・ウォー
製作:ベイジル・イバニク エリカ・リー ブレンドン・ボワイエ ジェラルド・バトラー アラン・シーゲル クリスチャン・マーキュリー スコット・ラステティ アリ・ジャーファー
脚本:ミッチェル・ラフォーチュン
撮影:マクレガー
美術:ビンセント・レイノー
衣装:キンバリー・アダムス=ギャリガン
編集:コルビー・パーカー・Jr.
音楽:デビッド・バックリー
音楽監修:ライザ・リチャードソン
2023年製作/119分/G/イギリス
原題:Kandahar
ネタバレ回避の紹介モード。
毎度だが、今回もサクッと終わらせたい。
主演は最近は二代目マイケル・ケインになりつつあるジェラルド・バトラー。
何だよ、マイケル・ケインって!のツッコミが入るのは想定済みなので、これは最後に。
さて、日本では今年公開されたコノ作品、早速アマプラ会員見放題にあったので鑑賞してみたら……
……うーん。
誰かの首根っこを取っ捕まえて「見ろ!見ろ!」というよりも、アレとコレどちらがオススメ?と聞かれたら「コッチの方」と応えるくらいの面白さ……としか。
まぁ、自分流でイッチまえばキメ手がない。
そんな感じ。
アクションスリラーなのに、どうも耳目を集めるケレン味とかハッタリとかの何かがない。
炭酸が抜けかかった炭酸水みたいな……。
そんな作品を撮った監督はリック・ローマン・ウォー。バトラーとは『エンド・オブ・ステイツ』(2019)『グリーンランド - 地球最後の4日間』(2020)に続いてタッグを組んでいる。エスケイプ3部作(←勝手に命名)の最新作がコノ作品。
でも、このローマン。アクション映画のいちばんの見所であるアクションシーンが正直上手くない。下手ではないが上手くない。『…ステイツ』における銃撃戦は『ザ・バンク 墜ちた巨像』(2009)からパ◯っているのは丸わかりだし、『グリーンランド』の隕石はどう見ても『アルマゲドン』(1998)からなのが丸わかり。
ケレン味を撮るのがダメ。
だが、炭酸は抜けかかっているだけで完全に抜けているのではないので、だからツマラン、のかと言えばそうではなくてドラマは基本的に撮る腕は持っているので退屈はしない。
ただ演出ができるというよりも、脚本を読んでそれに合わせたキャスティングができる能力は持っている。だから基本的。
『…ステイツ』のニック・ノルティとか『グリーンランド』のスコット・グレンとかの有名どころから端役にいたるまでバッチリ押さえているので作品に安定感がある。優秀なキャスティングディレクターと組んでいるのか、スタントマン&俳優のキャリアがある監督自身のセンスなのかが見極めにくいけども。
なので、コノ作品も水準のチョイ上くらいには楽しめた。
さて最後の締めとしてのマイケル・ケインだが、もちろんアノ英国の名優であり、今ならノーラン作品の常連出演者だったマイケル・ケインの事だ。
実は、このケイン。80年代あたりには、まさしく炭酸が抜けかかった炭酸水みたいな作品に数多く出演していた時期がある。ココでも紹介した『スウォーム』とか『ポセイドン・アドベンチャー2』とか『ジョーズ87 復讐篇』とか『アシャンティ』とか『アイランド』とかの作品だ。
どうも同じ英国俳優であるバトラーもその道に入った……らしい。
ところで、バトラーと同様に同じキャリアで同じ英国俳優のリーアム・ニーソンもいるのだが、そっちは無視かよ!とツッコまれそうだが、彼は別枠だ。
ニーソンは二代目ブロンソンだ。
もちろんチャールズ・ブロンソンである。
こちらも機会があれば語ってみたい。
では、では。
VODで鑑賞。