ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

今回は劇場新作についてチョイ語ります。ただ、絶賛ではないので注意。
〇爆弾

監督:永井聡
ネットでは大好評だし、実際自分の鑑賞時にも席はほぼ埋まっていたのだが、簡単に言っちまうと「そんなに絶賛する作品じゃねえだろ」が本心。
なので、そんなに悪くはない。無いのだけれども、登場人物が類型化されすぎて深みが感じられないし、特に中心に存在するスズキタゴサクと彼が繰り出すアレヤコレヤはすでに、どこかで見た感が満載でオリジナリティも工夫も見当たらない。
展開も段取り感があって違和感が有りまくり。
デモくどいが、あくまでも「そんなに」なので、ことさら批判的な気分にもならない。典型的な良い脚本、巧くない演出という気持ちに
〇羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来

監督:木頭(MTJJ) 顧傑
前作よりも作画(動画)の精密さがまし、演出もかなり上がって、正直コレだけで満足した。
したのだが、物語の方は少年マンガ的作法を少しシリアスに寄せただけなので、メッセージ性は日本のテレビアニメ黎明期とさして違わないので、これでジブリに迫るという巷の評価はかなりオーバーだし、表層だけなら映画『X-MAN』(2000)から取ったのはすぐに分かる。
そして、前作がファンタジーよりだったのに対して本作は兵器を表に出して現代的な感覚が強くなっているが、それによりココで描かれる理想郷というのが、現在中国が推し進める外交方針である「人類運命共同体」とカブっているのではないのか?の考えが拭えずにモロ手を上げて褒めることができなかった。
アノ国に果たして体制を批判する作品でも作れるかどうか?それが出来れば確実にジブリ超えなのだが。
〇プレデター バットランド

監督:ダン・トラクテンバーグ
『ザ・プレイ』から『最凶頂上決戦』を得て今やプレデターを隅々まで知りつくしたトラクテンバーグ監督の最新プレデターは「たまには勝てせてやりたいだろ」の考えで、プレデターに感情移入させるドラマ仕立てになっていて、一歩間違えると3作目のジンクスに陥りかねないところを架空の惑星を舞台に人間が一人も出て来ない、且つ、アノ企業体を悪役にすることで何とかソレを回避している。そのへんは「お見事!」と膝を打った。
そして、そのために本作からは今までのファンを幻滅させずにソレまでとは違うチャーミングな魅了を発するものとなった。
とは言うものの、日本で例えるなら凶悪なゴジラが人類の味方になったくらいの変わりようなので、初代プレデター派と分裂が起きそうだし、個人としても、そこはかとなく漂うヤンキー臭に、ちょっと次についていけるかどうか心配💦
〇果てしなきスカーレット

監督:細田守
公開するたびに賛否が起こる細田守最新作はシェークスピアの『ハムレット』の翻案モノ。
鑑賞後「やっかいな作品だな」と。大ざっぱなマスの「面白い」かではなく範囲が狭いパーソナルな「好きか」での評価軸しかない。
そして、荒々しい魅了を持っているのは感じたが、まるで初稿をそのまま作品にしたかのような洗練されているとはとても言えないシナリオに頭をかかえ、さりとて推敲を重ねたのを映像化したのなら、この荒々しさが再現出来るのかと考えれば、おそらくソレは無いだろうと確信しているので、それらを含めて「やっかい」。
ただ、主人公等の台詞は自然体の喋りではなく内田吐夢の『宮本武蔵 五部作』や『機動戦士ガンダム』で富野由悠季がやった、いわゆる富野節などのように自然ではないが、後に残る様な独特の口調にしていた方が良かったかもしれない。
今回はこれにて終了。

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