ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]
ストーリー
アベンジャーズの一員としてサノスを倒し、世界を救ったものの、最愛の恋人ガモーラを失ったショックから立ち直れないスター・ロードことピーター・クイルと、ガーディアンズの仲間たち。そんな彼らの前に、銀河を完璧な世界に作り変えようとする恐るべき敵が現れ、ロケットが命を失う危機にさらされる。固い絆で結ばれた大切な仲間の命を救おうとするガーディアンズだったが、ロケットの命を救う鍵は、ロケット自身の知られざる過去にあった。
スタッフ
監督・脚本ジェームズ・ガン
製作ケビン・ファイギ
製作総指揮ルイス・デスポジート ビクトリア・アロンソ ニコラス・コルダ サイモン・ハット サラ・スミス
共同製作デビッド・J・グラント ラース・P・ウィンザー
撮影ヘンリー・ブラハム
美術ベス・マイクル
編集フレッド・ラスキン グレッグ・ダウリア
音楽ジョン・マーフィ2023年製作/149分/G/アメリカ
原題:Guardians of the Galaxy Vol. 3映画.comより引用
今回はネタバレスレスレの解説モード
注意:今回核心に迫る内容には触れていませんが、純粋に楽しみたい方には読まない事をお勧めいたします。
鑑賞終了。協議中……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
アウト!
面白い、面白くない、じゃなくて何なのかと?ツッコミを入れられそうだが、それは後で語るとして、本作を通してからのこのシリーズの総括をしてみれば、まさしくファミリーのドラマだったと考えるしかない。一作目が母親で、二作目が父親なのだから。
だから、本作でやるとしたらファミリーだろうなと漠然とは予想していたけども、今回ドラマの主軸にいるのは前二作にいたクイルではなくてアライグマのロケット。クイルは脇に入っている。
そして、特出すべきなのは本作はガン監督ことガンちゃんの個人的なドラマが濃くなっているところか。
2018年ガン監督は過去にツイッターでブラックジョークでレイプや小児性愛についてを呟いた事を保守系の評論家に指摘されて問題となりディズニーとの契約を打ち切られた。-- それからワーナーで『ザ・スーサイド・スクワッド』(2021)を撮ったのは映画ファンなら知っているエピソード ‐‐ だが、その肝心のツィートが、自身の告白ではなくて、そういった者達をからかう類だったので、ブラッドリー・クーパー、クリス・プラット、ヴァン・ディーゼル、カレン・ギラン、ゾーイ・ソルダノ、ディブ・バチスタのガーディアンズがガンちゃんを擁護して声を上げたことで、ファンもそれを支持、その盛り上がりで本作(ディズニー)に復帰した経緯がある。
そして、本作を終えたガンちゃんはディズニーを去った後にワーナーでMCUのライバルであるDCコミックの映画化に関わることとなる。
ねっ!もうドラマが同じじゃん。ストーリーを語っていないのに、ほぼネタバレぎみ。
画づくりでも、前二作よりも本作ではグロテスクさが強調されてココでもガンちゃんの個人的なところが露出している。もちろん『ザ・スーサイド・スクワッド』でみせた笑わかして最後には泣かす、という新喜劇要素もココでも盛り込まれている。
とは、言ってはみたものの、実は本作は新喜劇要素よりも、その原点であるペーソスに近くにドラマになっていて、だから刺激的な、あからさまな感動ではなくて、しんみりとした雰囲気が作品自体のトーンになっているので、かなり上向けになってしまっている。ガンちゃんの巧さが向上した証なのだけども、前二作でみせたスッキリとした感動を求めると肩透かしにあうかもだ。
大人になったなぁガンちゃん……(シミジミ)
ただ、ペーソスなだけに物語の展開が歪になっているのも確かにあって、その辺りがチョイと気になるところがある。
でも、悪くはない。むしろ、この収め方しかないのでないかなとは思う。
ギリギリのところで第3作目のジレンマは回避しているとおもうぞ。
…………でもなぁ、エンドクレジット後のあの文字はいただけない。
まるで、『ドラゴンボール』で天下一武道会が終わって筋斗雲で飛び去る悟空とチチの大コマに亀仙人が「もうちょっとだけ続くんじゃ」のヒトコマを入れられた感じ。
アレさえなければ有終の美で終われたのに……
ビジネスとしては分かるのだけども……ねぇ。
劇場で鑑賞。