えいざつき ~元映画ブログだったポエマーの戯言~

批評というよりも、それで思い出した事を書きます。そして妄想が暴走してポエムになります。

コヴェナント/約束の救出

ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]

タバレスレスレのチョイ褒めモード

 

ポスター画像

 

本作は感動戦争アクションとしてジャンル分けされるのだろうが、すべてが終わってのエンド・タイトルで本来の意図が明かされる。

 

まぁ、それを訴えとして見るか、それとも贖罪として見るかは其々の判断に委ねるしかないので、感想に入る前に本作のドラマのポイントを二つ上げて置きたい。

 

1つ目が舞台がアフガニスタン戦争だと言うこと。以前、別なところにも書いたがイラク戦争とは違って2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件タリバーンを敵として認識してアフガニスタンへ軍事行動をした正当性をアメリカ国民の多数が指示していたという事実がある。これはイラク戦争に反対していたドキュメンタリー作家のマイケル・ムーアも当時は賛同して、大義は成り立っている。

 

2つ目が、ココが本作では重要なポイントだが、物語・ドラマの中心に倫理があるというトコロ。

 

倫理、もう少しくだけて道徳というのは、その後一般的な解釈「社会生活において人が守るべき規範・行動」を指す。国や民族や宗教で微妙に違いはあるが本質としてはどこにもソレは存在する。

 

アイツが通訳に志願したのも、アイツがアイツを見捨てずに助けたのも、アイツがアイツを助けられずに苦悩する姿もドラマの中心に倫理が存在するからだ。社会的生物たる人間が持っている普遍的な感情を刺激するモノがココにはある。

 

だから、アフガニスタン戦争に何か言いたげな人でも、本作の感動に抗えない。もちろん我が国ニッポン人も例外ではない。

 

だって『走れメロス』の国だもの。

 

さて感想に入ると……

 

腕を上げたな~リッチー。

 

前にこのブログでも書いたことがあるが、自分にとってのガイ・リッチー作品群とは最も成功したタランティーノフォロワーであり、独特なリッチー節ともいえるスタイルが先走りし過ぎでドラマに結びついていない印象を持っていた。

 

早い話がウザい、苦手。

 

ところが、『ジェントルマン』(2019)からソウユウところが表にでなくなって、ありきたりなドラマを語り口で楽しくみせる傾向が見えだした。

 

『オペレーション・フォーチュン』(2023)だと007フォロワーにすぎない薄みな物語とドラマをソコソコ面白く見せていた。

 

オペレーション・フォーチュン(映画.comより)

ある種、ウェルメイドな作り手なって来たって感じ。

 

昔からのリッチー好きには不満だろうけども、自分には現在のリッチーはOK!

 

だから、ソコソコな脚本でここまでいけるのなら良い脚本だと結構ゆくのだろうなと漠然と思っていた後からのココなので、上位に位置する面白さが本作にはちゃんとある。

 

もちろん、かつてほどではないけどもリッチー節は入っているし、何よりも前述した倫理のドラマをキチンと撮っている。

 

それを踏まえた上での「腕を上げたな~」になる。

 

まぁ、単に歳をとって若い頃の体力が無くなってきたせいなのかも知れないが。結果オーライでイイじゃない。(超失礼な発言其の一)

 

コヴェナント/約束の救出(映画.comより)

ヤンチャだったアイツが白髪が似合うイケオジになっていた……みたいな。(其の二)

 

舘ひろしガイ・リッチーか!(其の三)

 

劇場で鑑賞。

 

監督:ガイ・リッチー
製作:ガイ・リッチー アイバン・アトキンソン ジョン・フリードバーグ ジョシュ・バーガー
製作総指揮:サマンサ・ウェイト オルガ・フィリプク ロバート・シモンズ アダム・フォーゲルソン
脚本:ガイ・リッチー アイバン・アトキンソン マーン・デイビス
撮影:エド・ワイルド
美術:マーティン・ジョン
衣装:ルールー・ボンテンプス
編集:ジェームズ・ハーバート

2023年製作/123分/G/イギリス・スペイン合作
原題:Guy Ritchie's the Covenant

映画.comより

 

 

 

 

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