ここでは題名と名称を恣意的に表記します。[敬称略]


猫は無事です!
もう今回はこれで終わりにしたい。
それくらい本作は猫が印象に残る。
そして、ホラーやスリラーでの猫の扱いといったら、大体が人がひどい目にあう呼び水的な役割だが、本作ではほぼ癒し系。ーー 実は一箇所だけらしいシーンがある。
これだけで本作が異色なのは予測できる。
そう、本作品は異色作。というよりも、このクワイエット・プレイスシリーズがジャンル映画としては異色作だし、その新しさで世間に向いれた作品でもある。
一作目は音に反応して襲う怪物が世界を蹂躙する中で人の尊厳をかけて戦う姿を描き。
二作目は音に反応して襲う怪物が蹂躙する世界で子供たちの成長を描く。
なので、二作目で怪物の弱点を見つけて「さあ、反撃開始!」が本作でやると予想するでしょうが、やりません(笑)。
やらないのです。だってDAY1、一日目なので怪物の襲来からはじまります。設定・物語としては一作と二作最初の所の繰り返し。
だから、特に一作と二作は観なくても大丈夫。ここからはじめてもOK。
それではメイン、ドラマはどこにあるのかと言えばルピタ・ニョンゴ演じる主人公がPIZZAを食べるためそこにゆきます。もちろん怪物の群をすり抜けて。
これが、グッとくる。ドラマの中心にあるのは「死」。そして「思いやり」。
日本なら終末医療を題材にしたもので散々やっているドラマだが、本作ではそれを怪物が暴れまくるモンスターディザスタームービー枠でそれをやる。そして、これを普通の設定モンスター抜きでやろうとすると賛否が巻き起こるデリケートな展開になりかねないところをモンスターを絡めることで、より焦点がピタリとあった出来になっている。
だから、モンスターディザスタームービーなのにホラーなのにSFスリラーなのに抒情性が高い。
怪物が人々を襲いまくるのにだよ。
そして、今回特出すべきことは、モンスターディザスターなら逃げ惑う人々・群像がスペクタクルな見せ場で、それも当然あるが、クワイエット(静粛)なので、静けさもまたスペクタクルな見せ場となっている。
もちろん、これまでどおりスリルもサスペンスもクワイエットだ。

前二作を撮って、今回は制作に回ったクラスキーの雰囲気を『PIG/ピッグ』(2021)のマイケル・サルノスキはより強固にして進化させたと見るべきだろう。
ただ、単純にスリルやサスペンスを楽しみたい者には「何コレ?」だろうが、元々このシリーズは直球というよりも変化球なのであって今回もものすごく切れ味の良い変化球でした。
‐‐ どころで、介助犬は吠えない人付き合いの良いタイプを選んでしつけるらしいけど、介助猫もそうなのかね?
劇場で鑑賞。
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